第105章 *足跡ビーチ(エースの夢)*
リドルが出てきた扉から、今度は緑の上質な衣装を纏ったトレイが、予想以上の人数と面々に少し驚いたように目をパチパチさせた
デュース『わっ、クローバー先輩の服も、気合い入ってますね』
オルト『データによると..トレイ・クローバーさんの服は熱砂の国の伝統的な花火大会の時に着る衣装だね』
トレイ?『そうなんだ。よく知ってるな、オルト。このプライベートビーチとコテージは、ケイトがカリムから借りてくれたんだ。な!ケイト』
ケイト『おっと、そういう設定か..
うんうん、カリムくん気前いいよねぇ!』
トレイ?『ああ、本当に好意で衣装まで用意してくれて..せっかくだし、着ないのも悪いだろ?こういう派手なのはガラじゃないんだけどな、ははっ』
『...』
トレイ?『ん?どうしたんだ?』
『ううん。なんでもない(ほんとのリドルさんやトレイさんにだったら、素敵だねって言えるのに..この人たちは、偽物だから)』
トレイ?『..ところで、ケイト。お前もさっきこの衣装に着替えて、最高の映えポイントで自撮りしてくる!って浜辺の方に出かけていっただろ?どうしてまた寮服に着替えたんだ?』
ケイト『えっ!?いやその〜..あっ、そうそう!食事の準備を手伝う時に汚しちゃいそうだからさ。写真撮り終わった後、一旦着替えただけ』
トレイ?『そういうことか。見るからに高そうな生地の服だしな。俺も汚さないように気をつけないと』
エース『コテージの中に、色々なサイズの服が用意してあったぜ。学園の指定服とか見てるだけで暑苦しいし、ユウたちも着替えてきたら?』
ユウ『あーいや、おかまいなく..』
エース『ちなみに、レイラ用の服も用意してあるから。チラッと見たけど、結構肌が見えるやつだった』
ユウ『よし!ではお言葉に甘えて...あべし!』
目の前にぶら下げられた甘い罠にあっさりと引っかかるユウの頭に軽いチョップを食らわせると、レオナは全員へと睨みを効かせる
レオナ『おい、何を空気に流されてやがる。てめぇらは他にやるべきことがあるだろうが』