第103章 *抗争ファクション(デュースの夢)*
デュース『えっと...つまりここはドラコニア先輩の作った夢の中で..こっからみんなで、元締めにカチ込みに行く..ってことか!?』
ユウ『うん、大まかに正解。まさかデュースがすぐに理解できるなんて..根暗先輩もやるなぁ』
レオナ『まったくだ。あの動画、最初に見た時はふざけてんのか?と思ったもんだが..要領が悪いやつにも、たった3分で状況を理解させられるんなら上等だな』
イデア『わぁ、お褒めの言葉痛み入りまーす..
全然褒められてる感じしないけど』
デュース『ドラコニア先輩が見せるのは本人にとって幸せな夢、か。僕は優等生になりたい、喧嘩は良くないって言いながら..頭のどっかではずっと、全部拳で解決したいって考えてた..ってことだよな?
くそっ、嫌になるぜ。僕ってやつはいつまで経っても..!』
ユウ『そーだよ。このバカタレ』
デュース『あでっ!』
自分の不甲斐なさに落ち込んでいると、脳天チョップをかまされ、痛みに悶えながらユウを見やると、その視線は静かに隣に立つレイラへと注がれた
『.....』
ユウ『この夢に来てから、抗争だとか喧嘩とか大声やらなんやらで、この子の大嫌いなもの全部乗せ状態....言いたいこと分かるでしょ?ちゃんと謝れ』
デュース『い"っ!!』
最後にデコピン一発かまし、腕にすがりつくレイラを優しく離すとそっと後方へと下がっていった
残されたデュースは、ハッと覚醒する前の自分や周りで起こっていた状況を思い出し、だらだらと冷や汗をかきはじめた
デュース『(知ってたはずなのに、分かってたはずなのに..あんなデカい声も、殴り合いも見せちまった。僕は、俺は..)』
この中でユウの次に付き合いも長く、毎日殆ど行動を共にしていて、レイラが嫌がることをよく理解していたはずなのに、自分が幸せを感じたこの場所(夢の世界)はそんな彼女の嫌がるものしかないことに深く絶望感を覚えた
自分自身を殴り飛ばしたくなるほどの怒りに打ち震えながら、それでもまずは目の前の相手に謝らなければと静かに見上げてくる深紅の瞳を真っ直ぐに見つめた