第103章 *抗争ファクション(デュースの夢)*
デュース『レイラ』
『..ん?』
デュース『せっかく叩き起こしに来てくれたのに、こんな世界になってて..お前が喧嘩も、喧嘩してる声もすげぇ怖くて嫌いなこと知ってたくせに、全部拳で解決するような場所に来させて..それに..ええっと、
ああ、くそっ!言いたいことがごちゃごちゃしててまとまらない。
とにかくその..悪かった!!』
伝えたいことを上手くまとめられない自分に辟易しながら、それでも謝罪の意だけは伝えなくてはと深く頭を下げた
デュース『謝っても済むことじゃないかもしれないけど...本当に、悪かった!!』
どんな罰でも受ける、と言わんばかりに目を強く瞑る。しかし、そんな彼に返ってきたのは、頭を優しく撫でる小さな手の温もりだった
『顔、見たい』
その言葉にゆるゆると顔を上げると、先程まで無表情だったその顔には、ようやく元の自分に会えたことを心から嬉しがる小さな笑みが浮かんでいた
デュース『レイラ..?』
『やっと会えた。デュース..会いたかった』
デュース『!!』
そっと抱きつかれ背中に腕が回り、胸に顔を埋められると、ふわりと香る黒兎のとは違う彼女本来の優しい花のような匂いが鼻孔をくすぐる
触れられてようやく再会を実感すると、デュースは胸に熱いものが込み上げ、揺れる瞳には小さく光るものがあった。なんとかそれに耐えながら抱きしめ返すと、体全体から伝わる懐かしい感触と温もりに愛しい感情が一気に湧き上がる
デュース『ーーっ..俺も、お前に会いたかった。すごく、すごく会いたかったんだ...レイラ』
『デュース。
あのね、私すごく怖かったの。ケンカしてるのも、おっきな声も..』
デュース『うっ、悪い。ダチとして、マブとして、本当に情けないとこを見せた』
『でも、だからこそ目が醒めてくれて嬉しかった。私の大好きなデュースが戻ってきてくれて、本当に嬉しい。
金色の髪も綺麗だったけど、やっぱりデュースはこの色が1番似合ってて綺麗だよ』