第103章 *抗争ファクション(デュースの夢)*
『ぅ..』
冷えた視線が注がれゾクリと身の毛がよだち、思わず両隣のユウとレオナの手を握る。すると、そんな姿に更にケイトとトレイの視線は鋭く冷たさを増す
一方、さして怯える様子もないまま、レオナは少し考える素振りを見せると、静かにその口元に笑みを浮かべた
レオナ『.............ふっ、まさか。レイラはともかく、この毛玉と草食動物がうちに入れると思うか?あっという間に寮生どものディナーにされちまうのがオチだ』
トレイ?『そうか、良かったよ。ユウとレイラとグリムはうちの1年生とよくつるんでるからな。もしサバナクローに下ったとなれば..
"付き合い方"を考えなきゃならないところだった』
『!...ぅっ..』
普段見ないトレイの凄んだ声色と表情に更に身を縮こませる。そんなレイラの繋がれた手の甲を親指で静かに擦ると、くだらねぇ勘ぐりしてんじゃねぇよ、と一蹴した
レオナ『たまたま大食堂の入り口で一緒になっただけだ。それじゃあな』
『レオさん..っ』
離れていこうとする手を慌てて掴んで引き止めると、振り向いたその目には"大丈夫だ"と言っているような温かい熱が灯っていた。するりと抜けていった手が頭をポンと叩くと、レオナは背を向け不安そうにしているセベクやシルバーたちを連れて人混みの中へと消えていった
『.....レオさん、みんな..』
ユウ『今は我慢しよう。ね?』
『ん。ユウ、もっとくっついていい?』
ユウ『勿論』
おいで、と差し出された腕にしがみつきグリグリと肩に擦り寄り甘えると、あやすように優しく頭を撫でられた