第102章 *革命ビギニング(レオナの夢)*
レオナの元にたどり着き顔を上げると、己を見下ろす鋭い瞳にまた体が萎縮する。逃げ出したい気持ちを何とか抑え、意を決して深く頭を下げた
『...レオさん。ほっぺた叩いちゃって、ごめんなさい。それと..やなこといっぱい言って、ごめんなさい』
言葉は返ってこなかった。たった一言で許されるわけもないと分かっていたため、次の言葉を探して口を開こうとしたその時、大きな手が顎にそっと添えられ、優しい力で顔を上げるよう促された
大人しく従い顔を上げると、完全とは言えないがその瞳に宿っていた先程までの冷酷な印象は消え、仄かに温かみのある色が戻ってきていた
そのことに内心ホッとしたレイラの耳元で、これ以上ないほどの冷たい声色でレオナは囁く
レオナ『なあ、レイラ。人の事を引っ叩いたってことは、当然それが自分に返ってくるって理解してんだろうな?』
見開かれた深紅の瞳、その視界の端で大きな手が振り上げられ、理解すると同時にレイラは強く目を閉じた
『ーーーーっ...!!』
『...あ、れ..?』
いくら待っても訪れない痛みに恐る恐る瞼を開ける。すると、それを待っていたかのように振り上げていた手が額に伸びると、思いっきりデコピンをかました
びしっ!!
『いたっ!!ぁぅ..んぃ?んぃぃ〜〜!!!』
額の痛みに悶えるのも束の間、今度は頬に手が伸び思いっきり引き伸ばされた。普段自分がしている"ほっぺたムニムニの刑"の強化版だった
悲痛な呻きをあげ、それでも抵抗しようとしない愚かな姿に鼻で笑うとぱっと手を離した
『ぅぅ...』
レオナ『まだ終わりじゃねぇからな』
『ぇ...んぅっ..//』
『『『『!!!!』』』』
ヒリヒリする頬を押さえ涙目で見上げるレイラに更に追い打ちをかけるように、後頭部を引き寄せると噛みつくようなキスをした
突然のキスにビクッと体を震わせ仰け反ろうとするが、後頭部を押さえつける手が今度は逃さないと言わんばかりに力を強める
今のレオナを拒む理由のないレイラは戸惑いながらも、彼の胸に手を当てるだけでそれ以上の抵抗はしようとしなかった