第102章 *革命ビギニング(レオナの夢)*
夕焼けの草原・荒原
暫くしてイデアから夢の再構成が終わり安全が確保されたという解析が届き、一同は再びレオナの夢へと戻っていった
着陸したそこはサバナクローのグラウンドや王宮前の石橋でもない、折り重なって支え合ってできた巨大な岩山の上だった
眼下には枯れ木やひび割れ乾燥した不毛の地が広がっていたが、不思議と悲壮感などは感じず、まるで偽りの世界を打ち砕いたように見えた
オルト『霊素シグナル・トラッキング成功。指定された座標へ到着しました』
ラギー『レオナさーーーん!!』
ジャック『よかった..無事に戻って来れたんすね』
降り立った先に待っていた寮服姿のレオナに、覚醒したまま戻ってこれたと分かった途端、ラギーとジャックは嬉しさに顔をほころばせ一目散に駆け寄っていく
『はぁ..信じて良かった』
ユウ『特に怪我もなさそうで良かった良かった』
アズール『まさかレオナさんが仲間の代りに闇の中に自ら飛び込んでいくなんて..』
シルバー『さすがはサバナクローの寮長だ。素晴らしい勇気を見せてもらった』
レオナ『当然だろう?俺が真実の友を見捨てるわけがない。なぁ、ラギー?』
ラギー『マジでどの口がそれ言ってんすか?マジフト大会の時みたいに見捨てられるんじゃねーかって、オレ、すっげぇ怖かったんすからね!』
レオナ『はっ。それじゃあ、あの時のことはこれでチャラだな?』
ラギー『いやいや。あの時の貸しから、だいぶ利子がついてますから。まだまだ甘い汁吸わせてもらう予定なんで、頼むから自分の命を粗末にするような真似はよしてくださいよ!』
レオナ『てめぇ、素直に礼の1つも言えねぇのか?』
ラギー『助けてくれてありがとうございまーすっ!しししっ!』
ジャック『.....っ、うっ...!ひぐっ...!』
目から大粒の涙を流しながら、殺しきれない嗚咽を漏れる。ようやく緊張感や脅威が去ったことで安心からか、普段泣き顔など見せないジャックがとめどなく溢れる涙を乱暴に拭っていた
グリム『ふなっ!?ジャック、おめーなんで泣いてんだゾ!?』
ジャック『な"、泣いでねぇっ..ズズッ!』
ラギー『おやまあ、どうしたんすか。ジャック坊やは、レオナさんが帰ってきて安心しちゃった?』