第102章 *革命ビギニング(レオナの夢)*
『ゃ、めて....っ、レ、ォさ..』
剛腕に掴まれ軽い体は簡単に浮き上がり、そのせいでかかる自重が更に首を絞め、声が次第に掠れていく
ぼんやりとする意識の中、苦しみと恐怖で溢れ出た涙が頬を流れ落ちた
〔レイラ〕
苦しい
息が、できなくなる
怖い、怖い、怖い
ごめん。ごめんなさい
セベク..ユウ..
やっぱり怖い。こんな人知らない。認めたくない
"だが、ずっと信じ続けてきたものに対して考えを改めるのは勇気がいる。いきなり受け入れろと言われても、すぐに出来ないことだってあるだろう"
シルバーさんの言う通り、すぐになんて無理
出来ない
受け入れるなんて出来ないよ
だってこんなレオさん、私は知らないの
なにもかもが違うの
だって
その手はいつも私を優しく抱きしめてくれて、たくさん撫でてくれる
その瞳はキラキラ透き通ってて宝石みたいにとってもキレイで
その口からは意地悪だけど温かい言葉が溢れてて、甘くて優しいキスをくれるの
だから違う、違う、違う
『ち、がう..レオ、さ、は..っぐ!こんな..ことしない..っ!』
レオナ『あ?』
『わ、たしの..っ
"レ、オさんは..ぁ"..わたしを、ぜ、たいに..ぐっ!..きずつけたり..しない..っ!!"』
〔No side〕
ドクン...!!
レオナ『!!』
その言葉はまるで、言霊のようにレオナの奥底を大きく揺さぶった。底に眠る彼も知らない本能のようなものが目を醒まし、レオナに吠え叫ぶ
レイラを離せ、と
突然全身を打ち震わす衝撃が走ったレオナは、気づいた時には無意識にその手を離していた
『っ、げほっ、げほっ!!はぁ、はぁ..っ』
レオナ『今のはなんだ?手が勝手に動いた..てめぇ..俺に何を、
…なんのつもりだ、キファジ』
再び牙を向こうとするレオナの前に青いローブがふわりと揺れ、怯えるレイラを守るように立ち塞がった
キファジ『もうお止めくださいませ、陛下』
レオナ『退け。まだ処刑は終わってねぇ』