第102章 *革命ビギニング(レオナの夢)*
一瞬何が起こったのかレオナは分からなかった。後から走ってきたじわじわとした頬の痛みに、ようやくレイラに叩かれたのだと理解した
キスされる直前、闇の手で後頭部を押さえていた手を外し、離れると同時に彼の頬を叩いたのだ
キファジ『な、なんと..』
同じくポカンとしたまま固まるキファジの目の前で、レイラの体は小さくフルフルと震え、深紅の瞳からは零れそうな大粒の雫が溜まっていた
『ーーっ、レオさんは、私が黒兎だって気づいても何も言わなかった!みんなを怖がらせるために、言うことを聞かせるために私を使うなんて..そんな酷いこと、絶対にしなかった!!』
レオナ『てめぇ..!』
『いつも優しくて温かくて..自分のことだけじゃなくて私や他の人のために考えて動いてる。こんなちっぽけな国(世界)の寂しい王様なんかじゃない』
レオナ『黙れよチビうさぎ』
『周りのみんなを馬鹿にして傷つけて、上手く行かなくなったらすぐみんなのせいにして。誰の言うことも聞かない、ワガママばっかり..そんな貴方になんて誰も着いてこない。国だってこんなボロボロになるに決まってる!
それをあの時知ったのに..なんで忘れちゃったの』
レオナ『っ、黙れ..』
『嫌い..これがもしレオさんの一部だっていうなら、ちゃんと受け止める。でも..それでも嫌い!
お願い。私達のことを思い出して。元のレオさんに戻って!』
レオナ『黙れって言ってんだろ!!』
『ひっ!ぁ"、ぅぅ"っ..!』
その言葉にレオナはギリッと歯を食いしばると、レイラの細い首を掴み上げ玉座がひっくり返るほどの勢いで立ち上がった
ビリビリと耳をつんざく獣の怒りの咆哮が全身に恐怖を走らせる。ギリッと音を立てて首を締められ、小さな悲鳴が詰まった声となって溢れていく
『ぁ"っ..ぐ、ぅ..っ!』
キファジ『陛下、いけません!この国の王たる貴方様が女性に手をかけようなどと..すぐにその手を離されよ!』
レオナ『黙ってろキファジ。こいつは不法侵入しただけじゃなく、この王(俺)に無礼を重ねた女だ。今すぐ丸焼きにして食ってやる』