第102章 *革命ビギニング(レオナの夢)*
キファジ『なりません。先程から聞く限りこの方の仰ることは正しく、全て陛下を想ってのことではないですか。どうか、このお方の言葉を聞き入れなさいませ』
レオナ『王の言葉より無礼者の言葉を優先するってのか。随分とボケちまったようだなぁ?
…ちっ!はぁ、もういい。興味が失せた。さっさとそいつを摘み出せ。それからさっき言ってた肉も持って来い』
キファジ『それにつきましては、先程ございませんと申し上げたはずです。この王宮にも、町のどこにも..』
レオナ『探し方が足りねぇだけだろ。ハイエナたちでも使って国中を探して来い』
キファジ『まったく..次から次へと。
はぁ..ファレナ様はこのような無理はおっしゃらなかったのに..』
その名を聞いた瞬間、ブチッと何かが切れる音がしたと同時に、今度はキファジの胸ぐらに掴みかかり締め上げるように持ち上げた
レオナ『その名前を口にするな!!』
キファジ『ぐっ..!』
『鳥さん!!』
レオナ『忘れたのか?俺の悲しみを呼び覚ますその名をニ度と口にするなと言ったことを!』
バキバキバキ....
その怒りに呼応するように、足元から亀裂が入り一気に周囲に広がり辺りを干上がらせていく。舞い上がる砂埃と、乾燥した空気が視界と呼吸を乱していく
キファジ『ぐぅっ..ふ、ふふふ!本当に私を、召し上がるおつもりで?わたくしは、硬くて臭くて..苦労、しますぞっ..!』
『だめっ!鳥さんを離して、レオさん!!』
バンッ!!
チェカ(ラギー)『やめて!おじたーーん!!』
扉が大きく開かれ、銀色の狼に乗って黄昏色の髪が勢いよく飛び込んできた。そのままレオナへと突っ込むと、胸ぐらを掴まれたキファジから離れさせた
『っ、みんな..!』
レオナ『チェカ!?そんな馬鹿な..!』
キファジ『ゲホゲホッ!ゴホッ..そんな、私は、夢を見ているのか?』
現れるはずのない存在に、二人は信じられないものを見る目でその小さな太陽を凝視した