第102章 *革命ビギニング(レオナの夢)*
レオナ『さっきから聞いてりゃ、随分馴れ馴れしい呼び方をするじゃねぇか。口の効き方には気をつけろチビうさぎ。
俺はこの国の王..レオナ様かレオナ王と呼べ』
『呼ばない!!』
レオナ『!!』
『レオさんは王様じゃない。こんな、こんな悲しくて寂しくて、国のみんなを傷つけるような、酷い国の王様なんかじゃない!』
レオナ『......』
キファジ『陛下、伝説の黒兎とはいえ侵入者。すぐに..』
レオナ『待て。王宮の人間以外のやつに、しかもあの黒兎に面と向かって喧嘩を売られたのは初めてだ。
おい、お前。名前は?』
『..レイラ・フィリアス』
レオナ『...来い、黒兎。目を醒ましてだか、思い出してだか言ってたが、ここは暗すぎる。もっとその顔をよく見せくれたら、何か思い出すかもしれない』
キファジ『陛下、何をなさるおつもりですか?』
レオナ『てめぇは黙ってろ。おい、さっさと来い』
『.....分かった』
明らかに何かを企んでいる。そんな危険な雰囲気を漂わせる彼の元に行くことに躊躇してしまうが、何か変わるならと意を決して階段を登り玉座の前へと歩いていく
レオナ『まだ良く分からねぇなぁ。もっと近づけ』
『....』
キファジが横で心配そうに見つめる中、2歩ほど進んだところで、レオナの組んだ足元まで来ていた
『もう、行けない』
レオナ『馬鹿かお前は。こうすりゃいいだろうが』
『きゃぅっ!!』
キファジ『レオナ陛下!』
一瞬で腕と腰を掴まれ、為す術もなく気づけば彼の膝の上に座り込むように抱き寄せられていた
至近距離で見上げたエメラルドの瞳は仄暗い輝きを放ち、品定めするように頭の先からジッと見つめられていく。今にも獲物を狩らんとする肉食獣のように細められた瞳にまた背中が震えた
レオナの瞳を何よりも気に入っているレイラだったが、目の前の彼の瞳は今すぐ逃げ出したくなるほど、ただひたすらに恐ろしかった