第102章 *革命ビギニング(レオナの夢)*
レオナ『小腹が空いた。昼飯を持ってこい。肉だ、肉がいい』
キファジ『ございません』
レオナ『あ?』
キファジ『王宮の食料庫はすでに空。肉も、野菜も、水すらも尽きております』
レオナ『なら、今すぐ外に行って手に入れてこい』
キファジ『は!王宮にないものが街にならあるとでも?』
レオナ『...口を慎めよ、くそじじい。今すぐお前をフライにして食ってやったっていいんだぜ』
『ぅぅ..』
扉越しでもレオナの声が不機嫌になっていくのがひしひしと伝わり、ゾクッと背中が大きく震える。今すぐにでも扉に手をかけ中へ飛び込みたいのに、冷たい瞳で待ち受けているレオナに足が竦んでしまう
キファジ『そんな恐ろしい顔をなさっても、私には通用しませんぞ』
レオナ『てめぇ..!』
『っ..』
バタンッ!!!
『待って、レオさん!!』
『『!!??』』
男性の言葉に怒りを募らせ、空気がジリっとノイズのように震える。今にも牙を向きそうな声色に止めなくてはと思った時には既にレイラの手は扉を押し開け、そのままの勢いで広間へと飛び込んでいた
突然勢いよく開いた扉から現れた見知らぬ少女に、二人は睨み合っていた視線を一斉にレイラへと向けた
レオナ『..誰だ?キファジ、てめぇの知り合いか?』
キファジ『い、いえ。私の知る限りでは..
!兎の獣人。その目と髪の色..まさか、あの黒兎!?』
レオナ『黒兎だと?』
『はぁ、はぁ..レオさん、もうこんなこと止めよ?お願い、目を醒まして』
レイラの正体にいち早く気づき驚くキファジの隣で、レオナはエメラルドの瞳を細めジッと上から睨みつける
レオナ『これはこれは、とんでもない侵入者だなぁ。どっから入ってきたが知らねぇが、この王たる俺に一体何の用だ?』
『ぅっ....』
殺気のこもった王の威圧が肌を刺す。それでも呑まれそうな気持ちを押し留め、レイラは言葉を続けた
『元の貴方に戻ってもらうために来たの。思い出して、ほんとのレオさんに戻って!』