第102章 *革命ビギニング(レオナの夢)*
『『『レイラさん/レイラちゃん/レイラ!』』』
暴動の激しい騒音に紛れてレイラの声が微かに3人の耳に届く。宙を浮くオルトが目を凝らして探すと、少し離れた王宮の隅っこからひょこっとウサギの耳が飛び出ていた
オルト『良かった。今すぐそっちに..』
『大丈夫!この扉、鍵が空いてる..ここから入れそうだから、私はこのまま先に行ってる。ロボットくんはジャックたちとユウをお願い』
そう言うとオルトの返事も聞かないまま、レイラは偶然開いていた小部屋の入り口から中へと入って行ってしまった
オルト『ああっ!レイラさん!』
ジャック『どうした、オルト!』
オルト『レイラさんが先に王宮の中に入って行っちゃった!』
ジャック『あいつ..また無茶しやがって!』
ラギー『ほんっとあの子って、こういう時に無謀なことするんすから..ああもう!オルトくん、こうなったらさっさとオレたちも追いつくっすよ!』
オルト『了解!』
トン、トン、トン...
薄暗い王宮内、石畳の床に自分の足音だけが響き、妙な静けさがレイラの不安を煽っていく。昨日とは違う入り口から入ったため、レオナのいる大広間への道が分からず、聴覚とレオナの魔力の匂いを頼りに歩き回る
『レオさん、どこ...?早く、早くあの人を止めないと....ぅぅ..っ
(1人は怖い。でも少しは私も、みんなの役に立てるなら..)』
レオナ『ちっ..今度はなんだ。毎日うるさくてたまらねぇな。おい、キファジ!キファジはいねぇのか』
『!!レオさんの声。あっちから...』
微かに聞こえたその声に耳がピクリと反応する。急いで声の元をたどり足を進めると、そこは行き止まりで目の前には大きな扉が行く手を阻んでいた
扉に耳を押し当て意識を集中すると、奥からバタンと別の扉が開く音と共に"お呼びですか、陛下"、と昨日聞いた老齢の男性の声が聞こえてきた