第102章 *革命ビギニング(レオナの夢)*
『今までの人たちの夢でも思ってた。今まで色々お話してきて、その人のこと分かったつもりでいたけど..この旅を始めてから知らないことばっかりですごくビックリして....
私、みんなのこと全然知らなかったんだ』
ユウ『それは僕らも同じだよ。あの人が実はこんな事考えてたんだ〜って毎回ビビってるし』
『....みんなの知らない所を知るのが、怖い』
『『『........』』』
シルバー『その気持ちはよく分かる。幼い頃から共に過ごしてきた親父殿やマレウス様のことさえも、俺は知らないことばかりで、その度に戸惑ってばかりいた』
セベク『......』
いつもなら弱気な発言には厳しく返すセベクも、この時はそんな言葉を放つことはなかった。自分も、暴走したマレウスを目の当たりにした時、今まで感じたことのない戸惑いと恐れに体が言うことを聞かなかったことを、昨日のように覚えていた
しかし、だからこそセベクは目の前で暗い表情でユウに縋り付く弱々しい姿を見ていたくなかった
セベク『..受け入れていくしかないだろう。他人の変化に恐れているだけでは何も変わらない。そういうところもあるのだと受け入れ、認め、関わり方を模索していくしかないのだ』
『セベク...』
セベク『僕も、若様があのようなことをされるとは思っていなかった。だが、ああいう考え方もされるのだと受け入れ、その上で僕は若様の魔法を討ち果たし、あの方をお救いすると決めた。
だからお前も、覚悟を決めて進むしかないのだ』
責めるのではなく諭すような声色で紡がれるその言葉は、なんの引っ掛かりもなくレイラの心にスッと入ってきた
誰かに仕える。その感覚は分からなかったが、心の底から尊敬している相手が、他者を巻き込み世界を敵に回そうとしている。知りもしなかった恐ろしい一面を目の当たりにした彼が、覚悟を決めてこの戦いに挑んでいる
そんな彼の凛々しい姿に、レイラは尊敬と同時にこんなところで弱音を吐いている場合ではないと、己を𠮟咤し小さく頷いた
『...そう、だよね。怖がってるだけじゃだめだよね。
私、ちゃんと受け入れられるように頑張る。ツノ太郎のことも、レオさんのことも、みんなのことも..』