第101章 *奮起シーフ(ラギーの夢)*
ガサガサガサ....
ゴトゴトゴト...
ラギー『一体どこにいるんすか?オレをこんなに惹きつけてやまない君は..あっ!!』
草の根一本ずつかき分け探すラギーの視界に、一瞬キラリと光るものが見えた。すぐそこのゴミ箱の前で光るそれを見つけると、猛スピードで駆け寄り手を伸ばす
そこには、太陽の光を受け光り輝く100マドル硬貨がしっかりと握られていた
ラギー『やったぁーー!100マドル硬貨ゲットっす!もうけ〜っ!!
….って、あれ?な、なんでオレ..たかが小銭を拾ったくらいでこんな大喜びを..?』
その時、ぐらりと景色が歪みだし、ラギーの頭に激しい痛みが襲う。わざわざ硬貨1枚を必死になって追いかける必要のないこの世界(夢)で、100マドル硬貨を執念で見つけたことによる覚醒の兆しだった
ラギー『うぐっ!あ、頭が..どう、して?オレ、小銭なんか全然欲しくないはずなのに..!』
ユウ『ビンゴ。ラギー先輩に頭痛が走ったってことは..覚醒し始めてる』
『アズさんすごい』
アズール『ありがとうございます。
さて...ふふふ、あなたならそれに飛びつくと信じていました』
ラギー『あ、あんたたちは、朝の..っ!』
アズール『これが見えますか?ラギーさん』
頭痛に苦しむラギーの前に翳されたのは、先程の100マドル硬貨よりも更に大きく価値の高い500マドルだった。途端に目の色が先程よりも大きく変わり、欲望の光が大きな瞳に輝いた
ラギー『そ、それは..500マドル硬貨!?』
アズール『どうしたんです?何やら顔色が悪いですねぇ。冷や汗までかいて..』
ラギー『そ、そいつをどうするつもりっすか?』
アズール『この地を再び訪れることを願って、そこの水路に投げ込んで帰ろうかと思いまして』