第101章 *奮起シーフ(ラギーの夢)*
セベク『ラギー先輩の意思など知ったことか。僕たちは早く奴の目を醒まさねばならない』
ジャック『けどよ、どうやって醒ます?俺たちのことも全く覚えてないみてぇだし、レオナ先輩もここにはいない』
オルト『覚えていないというより、記憶に蓋をされて封じられている状態なんだ。きっかけさえあれば、きっと全てを思い出してくれる。
今までのパターンから予測すると、ラギーさんの深層心理に響く言葉や、忘れられないエピソードを伝えて揺さぶりをかけるのが有効だと思うんだけど..』
イデア『同じ寮のジャック氏、なんかアイデアないの?』
そう言われて何かないかとジャックも含め全員で考えるが、ラギーの自分のことを語りたがらない性格や、ナイトレイブンカレッジに通っていないこともあって、学園での思い出はあまり効果が見られないという予想に、段々と行き詰まりを見せ始めた
セベク『ええい、埒が明かん!ここで話し合っていても仕方がない。まずジャックか2年生がラギー先輩の説得に行ってみろ!話はそれからだ』
シルバー『ラギーとはクラスも部活も違うからな。印象に残るエピソード、か..うーん』
『ラギさんといえば、お金大事にしてるよね。アズさんもお金大事でしょ?なにか出来ないかな?』
アズール『そうですね。お金を使ってなにか彼を刺激出来ることといえば......
ああ、思いつきました!皆さん、僕に1つ考えがあります』
ジャック『考え?...あんたに?』
アズール『とにかく、登校してしまったラギーさんと再会しなくてはならない。闇に目をつけられないよう、放課後になるまで大人しくしていましょう』
アズールの策ということに若干の不信を抱くジャックだったが、他に良案が生まれる気配もなかったため、仕方なくそれに従うことに決め、一同はアズールの言う通り、校舎の目立たないところでその時が来るのを待つことにした
『ん..ふ、ぁぁぁ...』
ユウ『ふふ、可愛いあくび。グリムと同じで、お腹いっぱいで眠くなっちゃったね』
シルバー『ここなら周りの生徒からも目立たない上に、闇からも認知されづらいだろう。敷物を出すからその上で暫く眠るといい』