第100章 *飛翔インプレッション(ジャックの夢)*
ナイトレイブンカレッジ・校門前
オルト『霊素シグナル、トラッキング成功。指定された座標へ到着しました』
オルトの導きの元、ゆっくりと地に降り立つと、そこに広がっていたのはどこよりも見慣れたナイトレイブンカレッジの校舎だった
セベク『ここは..ナイトレイブンカレッジだな』
シルバー『木が紅葉している。ハロウィーンくらいの時期だろうか』
グリム『誰かの夢ん中だけど、いつもの校舎が見えると少しだけホッとするんだゾ』
ユウ『確かに、知らない海の中とか別の学校よりかは全然安心するよね』
『ん..次の夢が学校で良かった』
セベク『ふん、平和ボケをするなよ。夢の中では見慣れた世界が全く別物になっているかもしれないんだぞ。常に気を引き締めていろ』
オルト『ところで..アズール・アーシェングロッドさん。初めての夢渡りはどうだった?』
シルバー『フロイドは平気だったんだが、ジェイドは大変なことになってしまって..アズールは見たところ顔色も悪くないようだが..』
夢渡り酔いを起こして盛大に吐き戻したジェイドの件があったため、心配そうにアズールの顔を覗き込む
しかし当の本人はしっかりと2本の足で地に立ち、顔色も口元の笑みもいつも通りのもので、何の問題もなさそうに思えた、が..
『アズさん。ねぇ、聞こえてる?..あれ?』
いつもおしゃべりな彼が、夢渡りという初めての体験に対して先程から何の感想も語らないことに不思議に思い、クイクイと袖を引いて問いかける
視線も表情も全く変わらず、まるで人形のように立ち尽くす姿に、シルバーたちは目の前の状況にハッと気づいた
セベク『こ、こいつ。目を開けたまま気絶しているだと..!?』
オルト『しっかりして、アズールさん!』