第99章 *追跡マーメイド(アズールの夢)*
よほどお目にかかれたことが嬉しいのか、彼の頬はほんのりと熱を帯び、解説する声もいつもより少し早口になっていた
あまりの大胆すぎる行動に唖然としていると、一人ジェイドの元に歩み寄りその手を止める者がいた
『ジェイさん、だめだよ』
ジェイド『....』
イデア『あ、や、やっと大人しくなった。ヒロイン氏、ナイスですぞ。そのままジェイド氏の奇行を止めてくだされ』
レイラの言う事なら聞くだろうという期待を込めて見守る中、レイラはジェイドの腕を掴む力を少し強めた
ジェイド『レイラさん..』
『だめだよ。そんなことしたら....
ジェイさんの手が怪我しちゃうでしょ?』
ジェイド『え?』
イデア『は?』
『手で割っちゃだめだよ。このパラパラしたのが当たったら怪我しちゃう。割るならペンとか他のものでやらないと』
イデア『えええええぇぇぇ!?いやいや、そうじゃないでしょ!完全に今この不届き行為をやめさせる流れだったじゃん!窃盗よりも手の怪我を優先してどうすんの!?』
『え、でもあっちのジェイさんをどうにかするのに、これが必要なんでしょ?だったら、別にいいと思って...どうせ夢だから』
ユウ『ほんと、レイラってそういうところあるよね。入学式のときにも言われてたけど、魂がどこにでも染まるっていうか..』
セベク『前から変わったやつだとは思っていたが、まさかジェイド先輩の悪事に肯定的だったとは..』
シルバー『だが、ジェイドの身を思っているとこは、相変わらずどこまでも優しいな』