第99章 *追跡マーメイド(アズールの夢)*
保管室に入ると、先程までの部屋とはまた景色が違い、すべての植物が透明なガラスドームに収納され、大事に管理されていた
初めて見た光景に全員の胸に大小様々な興奮が走る
セベク『これは..すごいな..図鑑でしか見たことのない植物ばかりだ』
グリム『どれもこれも、あんまり美味そうな見た目じゃねーな』
『このキノコ、キラキラですごく綺麗..』
ふと近くのガラスドームに目をやると、青と黄色のキノコが飾られ、その美しさに目を奪われた
シルバー『このキノコ..昔、父と一緒に見に行ったことがある』
セベク『紺色のカサに、金色に輝く模様が美しいな』
ジェイド『それは!!』
近づいてきたジェイドがそれを見た瞬間、目をキラキラさせ一気に興奮度が上昇した
ジェイド『茨の谷でもごく一部の地域にしか生息していない、星雨タケ!!流星雨の夜にだけ輝く胞子を飛ばす不思議な魔法植物で、非常にいい出汁が取れると言われています』
ユウ『え、これ食べられるんだ..』
ジェイド『まずはこれをいただきましょう』
ガシャーン!!
言い終わらないうちにガラスドームを素手で叩き割ると、星雨タケを抜き取り大事に小脇に抱えた
セベク『た、ためらいなくガラスドームを割っただと!?』
ジェイド『心配はいりません、夢の中ですから。さあ、次はどれにしましょうかね』
イデア『こ、この中で一番新入りのくせに、夢の世界への順応が早すぎる!ちょ、ちょっとジェイド氏。あんまり派手にやりすぎるとゲームマスターが寄ってくるから!』
ジェイド『では迷っている時間はありませんね。次はこれです』
ガシャーン!!
ジェイド『これは天蓋タケ。水で濡らすと人間が下で寝られるほど大きくなるのが特徴です』
ガシャーン!!
ジェイド『見てください、美声ウドですよ!食べると音域が広がり美声になる効能があり、乱獲されたことで絶滅寸前に追い込まれたのです』
目についた貴重植物たちのガラスドームを次々割りながら、ジェイドは解説とともにうっとりしながらかき集めていく