第99章 *追跡マーメイド(アズールの夢)*
シルバー『ああ。管理が難しい貴重な魔法植物などを集めてある部屋だ..と、クルーウェル先生が言っていた気がする』
ジェイド『その通りです。そして、その保管室は魔法で厳重に封じられています』
セベク『不届き者が入り込んで、貴重な植物に悪戯しないためにも当然だな』
ジェイド『ええ、おっしゃる通りですね。さて、イデアさん。
その扉にかかっている魔法を解析し、解除していただけませんか?中にある魔法植物を拝借したいので』
『『不届き者だーー!!』』
まさか、目の前の男が普段から入室を禁じられている保管室に不法侵入しようとするとは思わず、シルバーとセベクの声が寸分違わず揃い、部屋中に響いた
ユウ『コントみたいな流れだったな..』
イデア『嫌な予感がして、限りなく気配を無にしていたのに..!拙者、無用な悪に手を染めたくはないのですが〜!?』
ジェイド『いやですねぇ〜、イデアさん。ここは夢の中ですよ?何も現実で危ない橋を渡らせようとしているわけじゃない。それに天才との呼び声高いイデアさんなら、こんな魔法を解除することくらいわけないですよね?』
『ジェイさんすごくワルいお顔してる』
ジェイド『僕だってやりたくてやっているわけじゃないんです。これも全てはイデアさんのお考えになる最強の魔王討伐パーティーを作るため..』
イデア『あああ、わ、分かった!分かったよ。い、い、言っておくけど、現実ではマジで無理ですぞ!!今はマレウス氏の作り出した魔法領域の構築式がバレてるから細工できるだけで..』
ジェイド『もちろん理解しておりますとも。さあ、早くしないと先生が来て騒ぎになってしまいます。早く!』
よほど中の物を見るのが待ちきれないのか、言葉で急かしてくるジェイドに、改めて彼のヤバさを実感したイデアはブツブツ小言を言いながら解錠の細工を施していく
イデア『ったく、これだから悪事を働くことにためらいがないやつは..えっと、ここのソースコードを少し書き換えて..』
カタカタとタイピング音を鳴らしながら書き換え作業を完了させると、扉からガチャっとロックが解錠された
ジェイド『開きました!さあ、皆さん急いで中へ!』
先陣きって中へと入っていくジェイドに続き、シルバーたちもすぐに部屋の中へと入っていく