第99章 *追跡マーメイド(アズールの夢)*
先に行動に移したのはフロイドたちのチームだった。ジャミルの誘いに上手く乗った闇のフロイドは、そのままジャミルと一緒モストロ・ラウンジを出ていった
物陰に隠れて事を見ていたシルバーたちは作戦が順調に進んでいることにホッと息を吐いた
シルバー『フロイドたちは上手く闇フロイドを連れ出したようだな』
セベク『さて、僕たちはどうやってジェイド先輩を誘い出す?』
イデア『正直者すぎるシルバー氏と、声が大きすぎるセベク氏。そして口を開けば食べ物のことばかりのグリム氏と、あまりに未知数のユウ氏。
そして..この中で恐らく一番可能性のありそうなヒロイン氏。でも押しに弱すぎるから、闇のジェイド氏やアズール氏に丸め込まれる確率が高い。
このメンツでジェイドを騙して連れ出せる気がしない』
セベク『声が大きいのは関係ないだろうが!』
『ぁぅ..』
セベク『あっ、す、すまん..』
大声に反応してしまったレイラにハッとしてすぐに謝る。気をつけると自分で決めたはずが、また怖がらせてしまい、心の中で自分を叱責した
ジェイド『ふむ。そうですね..グリム君。君は確か、美食研究会に所属していましたよね』
グリム『おう。ユウも一緒にな。裏山で採れる食い物に、オレ様以上に詳しいやつはいねぇんだゾ!』
ユウ『木の実とか山菜とかね』
二人の話を聞いたジェイドは少し考える仕草をすると、全員の顔を順番に見つめた
ジェイド『皆さん、僕に考えがあります。ついてきていただけませんか?』
ナイトレイブンカレッジ・魔法薬学室
ジェイドが連れてきたのは、普段クルーウェルが在室している魔法薬学室だった
部屋中に所狭しと色も大きさも様々な植物が並べられ、普段は調合の授業で生徒たちが使用する素材置き場として使われている
放課後ということもあって部屋には誰もおらず、それを見たジェイドは好機と言わんばかりに口端を上げた
セベク『ここは..魔法薬学室?どうしてこんなところへ?』
ジェイド『ナイトレイブンカレッジの魔法薬学室には、貴重植物保管室へ繋がる扉があるのをご存知ですか?』