第99章 *追跡マーメイド(アズールの夢)*
ジャミル『さすが、周到だな。自分が恨みを買っている自覚があって次を予想した動きをしている』
オルト『ジェイドさんとフロイドさんが、NPCの2人のふりをして、もう一度アズールさんに隠し場所を教えてもらうのは?』
その提案に二人はそっと首を横に振る。大切なものの隠し場を忘れてしまうような無能には、二度と情報を共有するような事はしないことをジェイドたちはよく知っていた
フロイド『ボコっても吐かなそー。ジェイドのユニーク魔法でサクッと聞き出せねーの?』
ジェイド『アズールが僕の魔法にかかるわけがないでしょう』
シルバー『ジェイドのユニーク魔法?どんな効果があるんだ?』
詳細を知らないシルバーたちに首を傾げて問われると、あまり自分のユニーク魔法を知られたくないが状況的にも仕方なく苦笑いを浮かべて話すことにした
ジェイド『本来ならあまり明かしたくないのですが..どうせ目の前で使えばバレてしまうことですし、隠してもジャミルさんがバラすでしょう。お教えいたします。
僕のユニーク魔法"かじりとる歯"は、1度だけ相手から真実を聞き出すことができる魔法なんです』
セベク『むっ..それは言いたくないことも、ペラペラと喋らされてしまうのか?』
ジェイド『ええ。きちんと手順を踏んで、相手に魔法をかけることができれば..ですが。僕より実力が上の魔法士には効かないことがほとんどです。それと、レイラさんのように少し特殊な方には全く使えません』
シルバー『全く使えない?それはどういう..』
ジェイド『それは本人のプライバシーに関することなので、控えさせていただきますね』
シルバー『そうか..すまない』
真面目に謝るシルバーに薄ら笑みを浮かべる。知る者の少ないレイラの秘密を、共有したくないだけなのだが、これ見よがしに"ありがとうございます"とそれ以上を踏み込ませなかった
シルバー『レイラも気に障ることを言ってしまって申し訳ない』
『ううん。全然気にしてないよ』