第99章 *追跡マーメイド(アズールの夢)*
闇に入るまでは起きなかったやる気がここに来ていきなり芽生えだし、二人はどう料理してやろうかというような悪い笑みを浮かべた
ジャミル『おい、お前ら。勝手に納得してないで俺たちにも分かるように状況を説明してくれ』
ジェイド『これはおそらく、期末テストの直後くらいの夢です。話せば長くなるのですが..』
ユウ『あの人、僕らのことまた間抜けって言ったぞ。あの頃の先輩だと思えばそう思われても仕方ないけどさ、マジで腹立つな』
グリム『元に戻ったら、半ベソで謝らせるんだゾ』
ユウ『いいね。たっぷりお礼してあげないと。ね、レイラ?』
『..んふふ、そうだね』
ジャミル『ふむ、なるほど』
シルバー『現実でのアズールは、期末テストの後に他者から取り上げた能力の殆どを手放すことになった』
セベク『だがこの夢では契約書を手放していないどころか、複数の寮長の能力まで手に入れている..と』
オルト『漏れ聞こえた部分だけでも、リドル・ローズハートさんとレオナ・キングスカラーさんのユニーク魔法は手に入れてるみたいだね』
セベク『とんでもなく厄介なことになっているじゃないか!』
ジャミル『口に出していないだけで、もっとたくさんの魔法を手に入れていると考えた方がいいだろう』
イデア『ここに来て、ついに自分をチート設定にしてくるやつが出てきましたか』
『アズさんが取り上げた魔法って、けいやくしょ?を破ったら使えなくなるよ。場所ってたしか..』
ユウ『モストロ・ラウンジ、VIPルーム内のクソデカ金庫』
『行ってみよ』
モストロ・ラウンジ VIPルーム
一同はVIPルームに忍び込むと、ジェイドの手引きで巨大な金庫の扉を開錠し、重い扉をゆっくりと開いた
しかし..
ジェイド『..予想通りですね。金庫には何も入っていません。空っぽです』
グリム『ええーー!?なんでなんだゾ!?』
『...前にレオさんとラギさんがここから盗ったから、違う場所に変えちゃったのかな?』
フロイド『多分ね。ここでのあの二人は、契約書を盗むのに失敗したんじゃねえかな?』
ジェイド『ええ。おそらく次の襲撃を警戒し、別の場所に契約書を移したんでしょう』