第99章 *追跡マーメイド（アズールの夢）*

ジェイド『なんです？』


フロイド『もったいぶってないで早く見せてよ』


興味深そうに見てくるフロイド目掛けて、アズールはステッキを取り出すと、使えないはずのあの魔法を口にした





アズール『首をはねろ！（オフ・イズ・ユアヘッド）』





ガチャンッ！と音がして首に謎の重みがぶら下がる。自身の魔力がなにかにせき止められているよな感覚に、フロイドはギョッとして首に掛かる錠前に気づく


フロイド？『ぐえっ！何これ、金魚ちゃんのユニーク魔法！？』


アズール『さらに..王者の咆哮！（キングス・ロアー）』


続けてレオナのユニーク魔法を唱えると、その首輪があっという間に砂へと変わり、サラサラと床に落ちていった


ジェイド『それはレオナさんのユニーク魔法ですよね。一体どうやって手に入れたんです！？』


アズール『期末テストで契約違反し、力を取り上げられた馬鹿なイソギンチャクども..奴らをダシに、実に優位に商談が進められた。無能な部下を持つと苦労しますねえ〜！ふふふ..


だがこの程度で満足する僕じゃないぞ。もっともっと..この学園にいる全員の能力を我が物にしてやる！』


ラウンジ中にアズールの高笑いが響き渡る。そんな様子をドア越しに見ていた一同は、見つからないようにそっとドアから離れた




ジェイド『あれは..レオナさんに契約書を砂にされなかったルートのアズール、でしょうか？』


フロイド『っぽいねぇ。あーあ、椅子にふんぞり返って高笑いしちゃって..


...オレさぁ、あのままアズールが順調に全部を手に入れてたら..一緒にいるの飽きちゃってたかもなーって考える時があんだよね』


ジェイド『奇遇ですね、僕もです』


フロイド『あいつ、調子こくとマジでムカつくんだよなぁ』


ジェイド『何より..』





『『そんなのは、面白くない』』





ジェイド『..となれば、やることは1つですね』


フロイド『さっさとアズールをぶん殴って、いつものおもしれータコちゃんに戻ってもらおっかぁ』