第99章 *追跡マーメイド(アズールの夢)*
オクタヴィネル寮・廊下
ユウ『ーーて。ーーーきて、レイラ。
起きて、レイラ!』
『...ぅ..ユ、ウ?』
揺すられる感覚にゆっくりと目を覚めていく。ぼやける景色が段々とハッキリして、心配そうに見下ろすユウとグリムと目が合う。視線を動かすと、シルバーとセベク、ジャミルやイデア・オルトの姿もあり、全員がレイラが目覚めたことにホッとしていた
『ん、ぅぅ..みんな、大丈夫?』
セベク『それはこちらのセリフだ。ここに辿り着いたと思ったら、先に来ていたお前がユウに抱えられて眠っていたんだからな。まったく..』
シルバー『眠っているというより気絶していたようにも見えたから心配していたんだ。体に不調はないか?』
『ん..平気。それより、ここは?あれ、ジェイさんとフロさんは?』
ジャミル『あの双子の姿は見てないな。ちなみにここはオクタヴィネル寮の廊下みたいだな。見ろ、向こうにドアがある』
視線の先にはモストロ・ラウンジへと繋がる大きな扉が1つ。他に手掛かりもないため、全員でその扉の方へと移動することにした
扉はガラスがはめられていて中の様子が見えるようになっていた。ラウンジの中は明かりがついていて誰かが喋っている声がもれていた
気づかれないようにそっと扉の窓から顔を覗かせ会話を聞こうと試みる。すると、後方からこちらへと向かってくる足音が2つ聞こえた
『ぁ..ジェイさん、フロさん』
フロイド『ゴマちゃんたち、こんなとこにいたんだ。つか、何見てんの?』
ジャミル『しっ!』
モストロ・ラウンジ
アズール『やった..やったぞ。ついに手に入れた!間違いない。エレメンタリースクール時代の僕が写った、アトランティカ記念博物館に飾られていた写真!』
ラウンジの中央で双子を侍らせながら、例の写真を片手に持ち上げると、炎魔法で一気に燃やし始める
アズール『ふふふ.. はははは!燃えろ燃えろ!!これで忌々しい過去は精算完了だ。そしてあの間抜けなユウたちからオンボロ寮も巻き上げた。
よくやったぞ、お前たち!早速2号店の開店準備だ』
『『はい/はぁ〜い』』
アズール『さらに..ふふふ。貴方達に見せたいものがあるんです』