第99章 *追跡マーメイド(アズールの夢)*
ジェイド『それに我が寮のルールは自己責任。甘美な夢に耽ることも、彼の選択です』
フロイド『そーそー。その気がないやつは置いていく。それもオレらのルール』
ジェイド『無理に覚醒させたとして..現実になんて戻りたくなかったのに、どうしてくれるんだと言われても、責任は負えませんし』
ジャミル『そ、そんなことを言ってる場合か!?』
何が何でも助けに行こうとしない二人にツッこんでいると、ふとレイラは自分の隣にいたはずのユウとグリムの姿がないことに気づく
すると、ふなぁ〜!と情けない声が聞こえ振り向くと、二人は少し離れたところで大きな闇の塊に捕まり、どんどん呑み込まれようとしていた
『ユウ!グリム!』
ジャミル『まずい、二人が闇に取り込まれている!』
グリム『ド、ドロドロに体が沈んでいくんだゾ〜!レイラ!た、助けてくれ〜!』
ユウ『む、無念...』
必死にもがくグリムともう半分ほど諦めているユウは、駆け寄ってくるレイラの目の前であっという間に引きずり込まれてしまった
『!!ユウ!ぁぅぅ、ど、どうしよう...
ぅ〜〜!!待ってて、今行くから!』
闇の中に入ることに躊躇しながらも、引きずり込まれていったグリムの顔があまりにも必死で、そんな彼を助けないわけにはいかず、意を決してレイラは一人闇の中へと飛び込んだ
その後、続くようにジャミル・シルバー・セベクと入っていき、全く乗り気ではない双子をなんとか説得し、オルトとイデアも闇の中へと潜っていった
『(っ..ぅ"ぅぅぁぁ..っ!)』
闇の奥底へと落ちていく
体を容赦なく蝕んでいく闇の穢れが全身に不快感をもたらす。何度経験しても一向に慣れることのない感覚に苦悶で表情が歪む
『(くる、しい..っ!でもユウたちにはこんなの感じてほしくない。だから、がまん、しないと...っ)』
我慢しなければならないと思いながら、早くその先へたどり着いてほしいと必死に願いながら、深く深く闇の奥へと落ちていった