第99章 *追跡マーメイド(アズールの夢)*
シルバー『!!現実の自分の姿を思い出しかけている。夢から醒めかかっているぞ!』
アズール『ぐぅっ..!あ、頭が割れる..っ!!』
?『おい、アズールしっかりしろ。大丈夫か?陸の奴らとなんか関わってもろくなことにならない。しかもあんな物騒な奴らなんて..アズールの友人として論外だよ!』
?『さあ、顔を上げて..仲間の顔をよく見るんだ』
アズール『う、うう..!』
頭痛に苦しむアズールの元にチームメイトが囲むように集まる。心配する声は、段々と覚醒しようとする彼を深く落とそうと、妖しい声色へと変わっていく
?『俺たちゴールデン・トライデントの友情は、永遠だぜ!』
その瞬間、チームメイトたち、そして会場にいたすべての人魚が黒く染まり、闇へと姿を変えて広がりだした
セベク『なにっ!?店内にいた人魚の姿が、全て闇に変わった!』
『ぁ..後ろにもいっぱいいる』
アズール『そうですね..海の暮らしが、最高です..』
?『ああ。陸に行ったって、朝から晩までずっと働くだけ』
?『こっちにいれば、毎日歌って、踊って、ずっと幸せでいられる!』
?『海の底の暮らしこそ最高..そうだろ、アズール?』
アズール『はい..陸になんか、絶対に僕は行き、ません...』
闇の手招きに誘われ、アズールは抵抗することなく闇の中へとズブズブと落ちていってしまった
シルバー『アズール!!くっ、闇に引き込まれてしまった!』
オルト『ジェイドさん、フロイドさん、追いかけよう!』
フロイド『なんで?』
オルト『えっ!?なんでって、これ以上深い眠りに引きずり込まれたら、覚醒できなくなる恐れがあるし..』
ジェイド『でも本人が望んで深い眠りに落ちていったんですよね?』
シルバー『望んでというか、あれは闇に拐かされている状態というか..』
補足する二人の説明を受けてもなお、ジェイドたちの表情は変わらず全く行く気はないと言わんばかりに軽いため息を吐いた
フロイド『オクタヴィネルのボス張っといて、軽く拐されちゃうのはダサいでしょ』