第99章 *追跡マーメイド(アズールの夢)*
ガシャーーンッ!!!
?『ぐわーーーっ!!』
暴れる二人を止めようとした人魚たちが返り討ちにあい、投げられた花瓶と共に窓ガラスを割って外に吹き飛ばされる
フロイド『ゴーーール!ギャハハハハ!』
ジェイド『ナイスシュートです、フロイド』
見事にゴールを決め、ご機嫌に泳ぐフロイドにジェイドが手を伸ばす。すると二人はアズールとジェイドがしていたのと同じ、握手とポーズを決める
『『イエ〜イ!フフフフ!』』
アズール『わあああっ!店の窓が、食器がぁ!ママのコレクションが..!き、器物破損は立派な犯罪だぞ!!絶対に訴えてやる!僕のパパは弁護士なんだ!お前たちなんか一発で..!』
フロイド『あははは!一発で、何?あ~ぁ、つまんねー奴。自分でオレらのことぶちのめしてやろうとか思わないわけ?』
アズール『僕はそんな野蛮な真似をしない!』
ジェイド『おやおや、随分とアズールらしくないお言葉』
フロイド『ねぇ。それに、陸に上がったこともないくせに、海が最高で陸は最低?決めつけダッサ。もーいいや、飽きたわ』
アズール『ダサ...うっ!? 』
ぐにゃりと空間が歪み、アズールの脳裏にいつかの日の双子が映る。一瞬で消えてしまったその記憶で、似たようなことを言われた気がした
アズール『なんだ、今の光景は?』
ジェイド『そうですね。生産性のない遊びに時間を費やすつまらない存在と一緒にいても、僕たちが得るものは何もなさそうだ。次の夢に行きましょう、皆さん』
そう言い捨て去っていくジェイドたちの背中を見ていると、また空間が歪み記憶が蘇っていく
"あ〜〜〜〜、そうですか。どうせ僕は1人じゃ何もできない、グズでのろまなタコ野郎ですよ"
アズール『うぐっ!な..なんだ、これは!?』
『!..待って。ジェイさん、フロさん』
オルト『見て、アズールさんの様子が..』
フロイド『うん?』
アズール『服を着ている..あれは、僕?なんだ、この記憶は!?』