第99章 *追跡マーメイド(アズールの夢)*
タブレットからこれ以上ないほど焦ったイデアの声が響く。しかし、近づこうにも周りの人魚たちが行く手を阻み思うように近づけない
そうしている間にもエアドームは鈍い悲鳴を上げ続ける。逃げられないレイラは、残酷に微笑むアズールとそれをニヤニヤしながら見ている周りの人魚たちの、悪意しかない姿に恐怖を感じ体を震わせた
『やめて、やめてっ!お願い、アズさん!ゃ..やだっ!だれか、だれか、たすけて..っ!』
シルバー『レイラっ!!くっ!こうなったら、全員ここで倒して進むしか..』
フロイド『....あのさぁ〜。人魚だけのパーティータイムってことは、オレらは残っていいわけ?』
ずっと黙ったまま成り行きを見ていたフロイドがゆっくりと口を開く。その一言に嘲笑が鳴り止むと、全員の視線が一斉にフロイドへと向けられる
アズール『そうですね...君たちが陸になんて戻らずに、僕たちのチーム"ゴールデン・トライデント"に入り、コーラル・ラッシュをするというなら、残ってもいいですよ』
『『『えっ!?』』』
?『おいおい。マジかよアズール!』
?『でも確かにあの双子、ガタイがいいな..いいオフェンスになれるかも。ま、オレほどじゃねぇけど?』
『『『アハハハ!』』』
『『.....』』
他の人魚のふざけに笑いが起こり、二人が黙って聞いていると、アズールは畳み掛けるように言葉を続けた
アズール『リーチ君たちも、陸の連中の間抜けな姿を見て嫌気がさしたんじゃないですか?
何より.."この僕"が声をかけてやってるんだ。断る理由がないですよねぇ?』
その問いにジェイドとフロイドは互いに一瞬アイコンタクトを取ると、ゆっくりと薄ら笑みを浮かべる。何かを良からぬことを考えている時にする、企みんでいる笑みだった
ジェイド『僕たちをチームに誘ってくださるなんて、光栄です』
フロイド『コーラル・ラッシュ、ちょうどやりたいと思ってたんだよねぇ〜』