第99章 *追跡マーメイド(アズールの夢)*
イデアが4人分の調整に追われる中、ユウたちは立ち上がろうとするが、互いの体が邪魔をして上手くいかない。それぞれ文句が飛び交い藻掻く様子をハラハラしながら見ていたレイラは、彼らの元へ行こうと椅子に手をかけた
『ぁぅぅ..だ、大丈夫かな?ごめんアズさん、私みんなのところに...』
?『ぷっ..ふふ!』
アズール『も、もうだめだ..くっ、あはは!』
『『『『あははははははは!!!』』』』
突然会場は笑いに包まれ、アズールもチームメイトもパーティーの参加者も、レイラたち一行を除いた全員が笑い転げる
単純におかしくて笑ったのではなく、明らかに悪意のこもった嘲笑だった
グリム『ふ、ふなっ!?』
?『あのジタバタした動きが、踊りだって!?』
?『フグがプロレスしてるみたいだ!』
?『いいや、あれはカニだね。全部の手をジタバタさせて..あははは!』
?『カニと比べちゃカニに失礼だろ!奴らだってもう少しマシを泳ぎするよ』
他の人魚たちの笑いに混ざり、アズールも喉を震わせて馬鹿にしたように笑い続ける
『アズ、さん..?』
アズール『陸の生き物って、なんて哀れで無様なんでしょう。陸の世界に上がる人魚がいるなんてとても信じられない。やっぱり海の世界は最高だ!』
『『『海の世界最高〜!スバラSEA!』』』
アズールの言葉に周りは大盛りあがりし、踊るように泳ぎ回る。ある人魚は指をさして笑い、ある人魚はもうこちらを無視して食事やダンスを楽しむ
全てはアズールによって仕掛けられた罠だった
セベク『ぐ、ぐぬぬ..アズール・アーシェングロット、貴様!さては、最初から僕たちを笑い物にするつもりでここに呼んだんだな!?』
込み上げる怒りを露わにして怒声をあげるが、返ってきたのは不快な人魚たちの笑い声だった
『『『あーーっはっはっはっは!』』』
?『頭に間抜けイソギンチャクを生やして睨まれてもねぇ!』
オルト『間抜け?これが海のファッションだってアズールさんが..』