第99章 *追跡マーメイド(アズールの夢)*
ジェイド『アズールのプライバシーに関することなので、詳細は差し控えますが..現実の彼の慎重な性格や他者の能力を奪うユニーク魔法は、孤独・悲しみ・恨み・妬み..そういった負の感情なしには生まれなかったはずです』
フロイド『でもウミウシ先輩の魔法で作られた夢の中では、きつかった経験ってなかったことになるんでしょ?だから今のアズールはみんなの人気者で、よく知らない相手にも気軽にサインをする迂闊なタコちゃんになってるっぽい。現実とは真逆じゃん、ウケる』
ジェイド『アズールを覚醒させるためには、幸せな夢を否定し、辛い現実を突きつけなくてはならないんですよね。非常に心が痛みますが..』
シルバー『どんなに幸せであっても、この世界は全てまやかしだ』
ジャミル『ああ。夢から醒めれば、手にしたと思っていた全ては水泡に帰する。ナイトレイブンカレッジ随一の営利主義者が生産性のない行為に時間を浪費しているわけだ。それも無自覚に。あいつにとっては幸せどころか、かなり不幸せな状態に思えるが』
フロイド『あはっ、言えてる。だからさっさとこんな夢ぶっ壊しちゃおうぜ〜』
ジェイド『ふむ。僕はフロイドからキツめの攻撃を食らったことで夢から醒めましたが..アズールにも何発かお見舞いすれば覚醒するのでしょうか?』
『......』
ユウ『レイラ、どうしたの?も、もしかして、さっき転んだ時にどこか怪我した!?』
『..ううん。パーティーのこと考えてた』
グリム『オメーも食いもんのこと考えてたのか?にゃはは!オレ様とおんなじなんだゾ』
ユウ『さすがにそうじゃないでしょ。それで、パーティーの何を考えてたの?』
『..なんで、アズさんは私達をパーティーに呼んでくれたのかなって』
ユウ『たしか、陸の話が聞きたいって言ってたよね?』
『でも、今日会ったばかりの人をそんな簡単にパーティーに呼ぶのかな?ほんとに陸の話を聞きたいだけ?』