第99章 *追跡マーメイド(アズールの夢)*
イデア『うっ..設定の端々から圧倒的な社交的地位の高さを感じる。いわゆる花型と呼ばれるスポーツをやってる奴らなんて、ナルシストな俺様系マッチョばかり。拙者やアズール氏のようなインド派のボドゲ部員とは無縁のお話ですな〜』
ユウ『....今なんか、先輩の後ろにレオナ先輩の幻影を見た気が..』
『え、レオさん?』
イデア『き、気のせいじゃない?』
などと話していると、突然観客たちが一人の選手に注目し始める。ゴール直前でレッド・キャンサーズの選手がボールを何者かに掠め取られた。実況がゴールデン・トライデントの守護神、と呼んだその人魚は瞬く間に相手陣営の中を駆け抜けていく
その名前が高々と叫ばれると、観客たちは待ってましたと言わんばかりに声を上げる
"アズール・アーシェングロット"と
『『『えええええ〜っ!?』』』
それは本来のタコの姿をした夢の主であるアズールだった。証拠に、光る小鳥が彼の頭上を飛び回っている
一番あり得ない展開に全員困惑の叫びを上げた。特に同じ部活に所属し、普段の彼をよく知っているイデアは、タブレット越しに目玉が飛び出るほど驚愕していた
イデア『どえええぇぇ!?なんでぇーー!?アズール氏、拙者と並んで運動が苦手なはずでは!?』
フロイド『ギャハハハハ!アズールがコーラル・ラッシュの選手〜!?ありえね〜っ!』
その後、アズールは相手の強固なディフェンスをものともせず素早い泳ぎで全て掻い潜ると、魔力を込めたボールを撃ち込み、見事ゴールドリングの中へと突き通した
今までで一番の歓声が競技場を包み込んだ
?『ここで試合終了!ゴールデン・トライデントの勝利〜!』
ホイッスルが鳴りアズールのチームが見事勝利を収めた。観客たちは拍手で彼らを称え、フィールドではゴールデン・トライデントのチームメイトがアズールのもとに集まり、彼を口々に褒め倒す。笑顔で応えるアズールは、彼らとニ・三何かを話すと、共にフィールドを去り始めた
セベク『あっ!あいつら、どこかへ向かって移動を始めたぞ』
シルバー『見失うといけない。すぐに追いかけよう!』