第98章 *海中サーベイ(ジェイドの夢)*
二人の争いをジッと見つめながら、レイラは悲しげに顔を曇らせる。大好きな二人が牙を向いて争い合う姿は酷く心を締め付け、今にも涙が出そうだった。だがそれを軽く袖で拭うと、覚悟を決めてペンを握りシルバーの背から抜け出し前へ行こうと泳ぎだす
シルバー『レイラ?何を..』
『二人が喧嘩するの、見てたくない。だから、私が止める』
ジャミル『待て!今のあいつらは周りなんて気にせずにやりたい放題。さすがにお前でも危険だ』
二人の元へ行こうとする腕を掴み引き止める。激しい抵抗はしないものの、向かおうとするのは止めようとしない
『でもこのままじゃ二人ともボロボロになっちゃうよ。そんなの、やだよ』
シルバー『気持ちは分かるが向かっていくのは危険すぎる.....ちなみに、どうやって止めようとしているのか教えてくれるか?』
『行くのが危ないのは分かってる。だから、雷魔法で二人をビリビリさせようかなって。フロさんは一回されたことあるし、思い出して止まってくれるかなって..』
セベク『..ん?そうか!その手があったか!僕もここでならきっと..』
レイラの提案に何か閃いたセベクは、警棒を片手に一番前へと進み出る
シルバー『どうした、セベク?』
セベク『レイラ、お前の作戦..僕が代わりに実行してやる。お前たち、少し僕から離れていろ。特にオルトはできるだけ遠くへ!』
ユウ『なにをするつもり?』
『あっ、もしかして..みんな、セベクから離れよ。ロボットくんはもっと後ろ』
意図を理解すると同時に全員を退避させる。特にオルトは最も遠くに行くように背を押していく。今から行うセベクの作戦が、機械の体に一番影響を与えるものだと知っていたから
セベク『あの2人の動きを止めればいいんだろう?..いざ、参る!』
魔力が彼の周りに集結し始め、バチバチと弾ける音が鳴り響く。小さな電流が体を纏い、それはやがて大きさを増し激しい雷へと変わっていく
セベク『曇天を衝け、雷光よ!!
迅雷一閃(リビング・ボルト)!!』