第98章 *海中サーベイ(ジェイドの夢)*
『自分を、信じる?』
セベク『それはいいことじゃないのか?』
オルト『どうかな..他人が何を言おうがこうと決めたら自分の意見を曲げないのも、自分を信じる力と言える』
ジャミル『現実のジェイドは、フロイドに比べて他人の意見を聞き入れるタイプに見えたが..』
フロイド『はぁ?ウミヘビくんどこに目ぇつけてんの?ジェイドは昔から他人の言うことなんか聞きゃしねぇよ。親父もママもちょー手を焼いてた。昔から優等生の擬態だけは上手いから、マジで厄介』
グリム『ふなぁ〜!じゃあどうやってあいつを起こせばいいんだゾ?』
フロイド『あはっ..ならさぁ。いっそ、ず〜っと寝かせとかない?そんなに夢の世界がいいなら..オレが優しく寝かしつけてあげる。もう2度と起きてこねぇように、ギッタギタにして魚の餌にしてやるよ、ジェイドぉ!』
ギャハハハ!と狂った叫びで再びジェイドへと向かっていく。猛スピードで迫りくる脅威に2人を背に庇いながら、ジェイドは応戦するように立ち向かってくる
ジェイド『シャーーーッ!!』
フロイド『ギャーーーッ!!』
互いに威嚇音を撒き散らしながら、二匹のウツボが争い合う。巨体が激しく戦うため、彼らの周りの水流は乱れ、近くの岩は削られ、その衝撃は少し離れたこちらにも乱流となり襲ってくる
『ぁぅぅぅ..っ!!』
ユウ『ちょ、勢い強すぎ!波にすっ飛ばされそうなんだけど!』
フロイド『邪魔だ、どけ!』
グリム『ふぎゃっ!』
乱流に巻き込まれフラフラするグリムを押しのけ、フロイドとジェイドの取っ組み合いは激しさを増す。鋭い爪を振りかぶり、強烈なテールアタックがぶつかる。二人の戦いは周りを巻き込み余計な被害を生み出した
ジェイド『魚の餌になるのはそちらです!』
フロイド『いってぇ、くそが!』
ジェイド『ぐはっ!この..っ!』
反撃に叩きつけたテールアタックは空をきり、代わりに火山の噴出孔を直撃した。衝撃が周りの噴出孔にも影響し、吹き出した熱水がセベクの足元を掠めた
セベク『ぶわっ!熱っ!?』
ジャミル『気をつけろ、セベク!奴らが暴れているせいで脆い噴出孔が破壊され、熱水があちこちから吹き出している!』