第98章 *海中サーベイ(ジェイドの夢)*
若干の戸惑いを見せながらも、ジェイドは二人の方へとゆっくり泳いでいく。そんな姿に慌てて引き止める様子もなく、フロイドは呆れと怒りを乗せた瞳をギラつかせる
フロイド『あ〜そうかよ。ならいつまでも本物の兄弟と夢の中で仲良くしてろ。そんな兄弟、こっちから願い下げだわ。お前ら全員纏めて、火山に叩き込んでやるよ!』
ジャミル『まずい、あのままじゃ闇もろともジェイドを沈めかねない』
シルバー『俺たちも行くぞ!』
先に駆け出し三人へ攻撃を仕掛けるフロイドに続き、シルバーたちはそれぞれ武器を構えると後を追って泳ぎだした
しかし、フロイドの攻撃の激しさに近づくこともできず、周りの闇たちを退けることしかできなかった。数こそ劣っているものの、大した戦闘力のない闇のアズールとフロイドは、本物のフロイドの猛威に蹴散らされていく
フロイド?『え〜ん!痛いよ〜!助けて、ジェイドぉ〜!』
アズール?『ひぃいっ!僕を助けなさい、ジェイド!』
ジェイド『よくも2人を!偽物め..もう許さない!はぁあっ!』
フロイド『だからぁっ、オレの方が本物だっつってんの!つーか、お前普段なら絶対そんなこと言わないだろーが!何空気に呑まれてんだよ!』
他の二人と違って戦闘力のあるジェイドと拮抗すると、舌打ちをして一旦下がり後方のイデアへと投げかける
フロイド『おいホタルイカ先輩。ショックを与えりゃ夢から覚めるんじゃねーの!?ジェイドのやつ、全然目を醒まさないんだけど!?』
シルバー『確かに、カリムとやり合ったジャミルのことを考えれば、もう目を醒ましてもいいはずだ』
イデア『こ、これは..もしかすると新しいパターンかもしれない』
グリム『どういうことなんだゾ?もったいぶらずにさっさと教えろ!』
イデア『ジ、ジェイド氏はNPCの作り込みも甘いし、イマジネーションが強いとは言えない。でも..おそらく彼は、とんでもなく自分を信じる力が強いんだと思う』