第98章 *海中サーベイ(ジェイドの夢)*
フロイド『元々他人に興味ねぇやつだとは思ってたけど、うろ覚えにも程があるだろ。流石にオレは岩に挟まったエビを踊り食いしながら喜ばねぇよ!』
ジェイド『フロイドは...エビを踊り食いしない..?』
その言葉にぐらりと空間が歪む。今までの場合だとここで覚醒の兆しの頭痛が襲ってくるはずだが、彼にその痛みは襲って来ることはなかった。それでも、フロイドの言葉に揺らぎが生まれ、明らかに動揺しているのは目に見えて分かった
だが、それを許さないと言わんばかりにアズールが二人の間を隔てるように割って入る
アズール?『ジェイド、騙されてはいけません!よく見なさい。フロイドはあんな人相の悪いチンピラではなく、もっと無邪気で可愛げがあるはず。ご覧なさい、この愛嬌のある笑顔を』
『ん。たしかにフロさんはいつも可愛いくてカッコいい。それに、いつも優しい』
ユウ『うん、ごめんそこは同意できない』
ジャミル『右に同じく』
ジェイド『そう..ですよね。フロイドは昔から愛嬌があるタイプで、親戚からも可愛がられていました。このフロイドが本物で間違いないはずです』
アズール?『全く、2人きりの兄弟を見間違えるなんて、疲れでも溜まっているんですか?金鉱脈探しには、山の知識が豊富なお前が必要不可欠。しっかりしてください』
ジェイド『ふふふ..そうですよね。アズールもフロイドも、本当に僕がいないとダメなんですから..』
ぐぷぐぷ...
『!!ロボットくん、これって』
オルト『うん。周辺の魔法構築式に乱れが発生!』
シルバー『正体を表したな。闇め!』
ジェイドが二人の言葉に誘われたことにより、より深い眠りへ落とそうとする闇が姿を表し、三人を囲むように広がっていく
闇色に染まったアズールとフロイドが、手を広げてジェイドを奥へと誘う
アズール?『さあそんなやつは放っておいて先に進みましょう、ジェイド』
フロイド?『早く行こうよぉ、ジェイド〜』
ジェイド『ええ..そう、ですね..』