第98章 *海中サーベイ(ジェイドの夢)*
そんな説明が行われる中、レイラは話を聞きながらも目の前でぼんやりと光る二の腕の模様をずっと見つめていた
体の一部が光るという見たことのない現象と、その輝きの美しさがよほど気に入ったのか、撫でる手が止まらない
フロイド『(ゴマちゃん、完全にオレの発光器が気に入っちゃってんじゃん。すげぇ笑顔だし、ずーっと触ってる。かぁいいことしてくれんじゃん♪)
だから小エビちゃんたちは、オレの上の方を泳いでた方が影が隠せて安全だよ。ゴマちゃん、ちょっとごめんねぇ』
一度レイラを体から離すと、すっかり油断しているグリムへと一気に詰め寄り、鋭い爪が並ぶ両手でグリムの体をわし掴んだ
フロイド『バクーっ!!...っていきなり下からサメが出てきたりするからさぁ』
グリム『ふぎゃっ!脅かすんじゃねぇんだゾ!』
フロイド『アハハハ!アザラシちゃん超ビビってんの、ウケる。ま、突然熱水が吹き出してくる海底火山にたむろってるサメなんかいねーけど。
あー、ここすげー硫黄臭くて鼻がバカになりそ〜。さっさとジェイド見つけて帰ろーよ』
海流の流れが変わり刺激臭がこちらへと流れだし、不快な匂いに顔をしかめると、再びレイラを抱き直し火山から離れるように泳ぎだす
シルバー『そうだな。早速探索を始めよう』
セベク『しばらく探索してみたが..人魚どころか、生物の姿すらないぞ』
オルト『火山活動によって吹き上がる砂やマリンスノーで視界も悪いし..』
シルバー『陸上と違って足跡も残っていない。足取りを追うのが難しいな』
ジャミル『なあ、本当にジェイドはここにいるのか?』
『むぅぅぅ...ぅぅ』
フロイド『ここほんとくっせぇよな..はぁ、硫黄とかいろんなもんが混ざって、匂いも全然わかんねーわ。めちゃくちゃ熱いし..もうジェイドは放っておいて、次の夢行かない?』
『.....むぅ...ん?あれ?』
ジャミル『お前、そんなにあっさりと..』
『誰かの声、聞こえた....』
『『『!!??』』』
進む先の暗闇から何者かの話し声が耳に届き、火山の匂いに萎れていた耳がピンと復活する。同時にオルトの霊素探知にも反応が現れた