第98章 *海中サーベイ(ジェイドの夢)*
セベク『では、火山の噴火に注意を払いながら周囲の探索を始めよう』
フロイド『りょーかい。んじゃ、まずは..』
呟くと同時にフロイドの肌がみるみるうちに暗くなり、代わりに腕周りや尾ひれの先端など細かな部分が光りだす。薄暗い深海にフロイドの模様がぼんやりと浮かぶ
フロイド『目立たないようにしないとねぇ』
グリム『フロイド、オメーの体あちこちピカピカ光ってるんだゾ!?』
フロイド『暗いところでは光りまぁす』
ユウ『光ったら逆に目立ちません?』
『わ..わあ...』
体を預けていた肌が突然光り、驚いて顔を上げると見たことのない輝きに目を奪われる
『フロさん、体がキラキラしてる..?』
フロイド『そ。どーお?ゴマちゃん』
『....れい』
フロイド『ん?』
『すっごく、綺麗...キラキラだ。腕も、尾ひれの先っぽも光ってる』
二の腕の光る模様を撫でながら、よほどその美しさに惹かれたのか、火山の匂いで落ち込んでいた表情がうっとりとした笑みに変わる
そんなレイラに満足そうに目尻を下げ、二の腕を触る手を好きにさせながらユウ達へと視線を移す
フロイド『小エビちゃんたち、カウンターイルミネーションって知ってる?』
グリム『なんだそれ?なんか必殺技みてーにかっけぇ!』
フロイド曰く、体を光らせているのは、深いところで過ごす一部の人魚が持つ発光器
そこから更に深い場所に住む敵からは、自分たちの姿は太陽光をバックに影となり見つかりやすい。見つかりにくくするために体の一部を光らせ、太陽光に反射する水面を装う
カモフラージュの他に獲物を狩る際にも利用するらしく、初めて人魚の姿で追われたときのことを思い出し、グリムはゾッと毛が逆立った