第98章 *海中サーベイ(ジェイドの夢)*
イデア『..それで回復するんだ。ヒロイン氏って、常にこの中の誰かにくっついてる気がするんだけど』
オルト『レイラさんにとってなによりのHP回復方法は、人からのハグってことだね。研究でも、抱擁はストレス軽減に効果的だと言われてるけど..ふふ、そのおかげで彼女だけじゃなくてフロイドさんのバイタルもすごく安定してきてる』
ほんとに仲良しだね、と微笑ましそうに見守るオルトに対し、イデアはここまでの道のりで何度も見た光景に呆れとも羨望ともとれるため息をこぼした
イデア『(ヒロイン属性強すぎでしょ..)』
ジャミル『ひとまず一件落着だな。にしても、サメの住処より危ないこんなところに、本当にジェイドがいるのか?』
シルバー『夢の主は、夢を渡った地点のすぐそばにいることが多い。ジェイドも近くにいるはずだが..』
セベク『突然有毒な熱水が吹き出してくる場所に長居はしたくない。とにかく捜索を開始するぞ』
ジャミル『イデア先輩。改めて聞きますが、俺たちはこの装備のままで大丈夫なんですよね?』
イデア『さ、さっきも説明したけどエアドームを有毒物質が貫通してくることはないよ。でもエアドームにあまり強度はないのも事実。さっきみたいな熱水噴出をもろにくらえば破損する可能性がある』
ジャミル『分かりました。これは慎重に進まないといけないな』
フロイド『そんなふわふわした風船みたいな玉に入ってないで、みんなも人魚の姿に変身すればよくね?ヒレがあれば、水中では身動き取りやすいじゃん』
イデア『そ、その..えと..今の姿はあくまで情報。新規で全員分の人魚モデルのボディデータを0から構築するのは短時間では無理。しかもフロイド氏と違って、他のメンバーは人魚姿での活動経験がない。もし、データを用意できても、使いこなせるまでかなりの時間を要する可能性が高いんすわ』
フロイド『ふーん。確かにオレらも2本足になれるまで結構訓練したし..逆も同じってことか』
じゃあ、しょうがないね、と今度は珍しく妙に納得すると、現実でドリームフォーム・チェンジが出来ないことに不機嫌になったことを思い出し、イデアは彼のテンションの読めなさに困惑した