第97章 *接触アパシー(フロイドの夢)*
イデア『ど、どうだった!?』
『『『『.......』』』』
固唾を呑んで一同が結果を待つ中、オルトは現れた解析結果に目を見開き、そして小さく息を吐いた
オルト『.....大丈夫。2人の霊素反応はあるし、バイタルにも大きな乱れはないよ。つまり..』
フロイド『はぁ...あっぶねぇ』
『ぅぅぅ...』
崩れた瓦礫の間で手を上に翳していたフロイドは、その腕にしっかりとレイラを抱きしめながら、ゆらりと尾ひれを揺らめかせ浮かんでいた
すんでのところでレイラを抱き寄せ、防御障壁を展開したことで事なきを得た
シルバー『フロイド!レイラも無事だったか!良かった...』
ユウ『あ〜〜〜〜...マジで良かったぁ』
2人の無事に一同は安堵の表情でその場で胸を撫で下ろした
一方、腕の中で降りかかるはずの痛みに耐えようと目を瞑っていたレイラは、それがいつまでも来ないことに疑問に思いそっと目を開く
触り覚えのある程良く引き締まった腕。人間にしてはザラついた肌、そしてほのかに薫る魔力の匂いに恐る恐る見上げると、呆れ顔で見下ろすオッドアイと目が合った
『フロ、さん..?』
フロイド『だからさぁ..ゴマちゃんはちっさいし弱っちぃんだから、前出んなって』
両腕で抱え直すと、どこにも怪我をしていないこと確認し何度目かのため息をつき、額同士をコツンと合わせた
フロイド『さっきも言ったけど、オレはゴマちゃん相手でも容赦なく締めっから。あれが倒れてきたから止めたけど、それがなかったら普通に攻撃してたからね』
『フロさん』
フロイド『..んだよ』
まだトゲのある声に苦笑いしながら、レイラは目の前の唇に触れるだけの膜越しのキスを落とすと、ポカンとする彼をそのままに広い胸に頬を寄せた
『守ってくれてありがと。
大好き。それと......会いたかった』