第97章 *接触アパシー(フロイドの夢)*
『フロさん。良かった、目が醒めて』
フロイド『...ゴマちゃんたちもさ、さっきからチョロチョロうぜーんだけど。締められてぇの?オレぇ、今すっげーイライラしてんだよねぇ..』
グリム『ひぃっ!ユウ!レイラも連れ戻して、に、逃げよう!あいつ目がマジなんだゾ〜!』
ユウ『..とりあえず待ってみよう。あの子の前なら、きっと先輩は落ち着いてくれる』
『....』
先程よりもあからさまに怒りの表情を見せるフロイドは、今にも後方から近づくレイラに襲いかかりそうな雰囲気を纏う
だが、誰もが竦むであろう凄みを見せる覇気を向けられても、脅しともとれる言葉をかけられても、レイラは無表情のままフロイドへとまた一歩近づく
『フロさんは優しい人魚さんだから、怖いことしない。そうでしょ?』
フロイド『はぁ?何言ってんの?いつもは何もされないからって勘違いしてるみたいだけど、その気になったらゴマちゃんでもマジで締めるよ』
ガシャンッ!!!
抑えきれない怒りに、また尾ひれを振るい難破船を破壊していく。耳をつんざく崩壊音が襲うが、それでも怯むことなく近づいていくと、あろうことか彼の隣でも背後でもなく、難破船と彼の間に立ち塞がった
フロイド『邪魔なんだけど..どけよ』
『ダメ。これ以上壊したら、フロさんの尾ひれ痛くなっちゃう。それに、今は私達の話を聞いてほしいの』
フロイド『あ"〜..イライラする。だからさぁ、邪魔だって言ってんだよ!!』
退かないレイラに苛立ちが限界まで膨れ上がる。我慢できずに腕のヒレをビキビキと膨らませると、声を荒げて腕を振り上げ迫りくる
鋭い爪がギラリと光り容赦なく振り下ろされようとしていた
ジャミル『まずい!今すぐにあいつを止めるぞ!』
ユウ『レイラっ、逃げて!!』
恐れていたことが現実となり、離れて見ていたジャミルたちは一斉に焦りだす。だが今走り出しても既に遅いと判断したジャミルとシルバーは、咄嗟にペンと警棒をフロイドへと向ける