第97章 *接触アパシー(フロイドの夢)*
フロイド『楽しい..こと?』
ジェイド?『ふふふ。今日はあなたのやりたいことになんでも付き合いますよ』
アズール?『難破船でサメと取っ組み合い?恋に悩む人魚を唆して、ひと稼ぎするのも悪くない。つまらない陸のことなんか忘れて、楽しくやっていきましょう。
これからもずっと、3人一緒に海の底で..』
フロイド『3人、一緒..』
ジェイド?『ああ、なんて素敵な生活。これ以上、何を望むというんです?』
ユウ『これ、マズくない?』
『...ううん。フロさんは、きっと...』
フロイドを引きずり込もうと闇の二人が手を伸ばす。だがその手は、彼に触れることはなかった
フロイド『..言わねぇだろ..』
『『え?』』
フロイド『そんなつまんねぇこと、お前らは絶対言わねぇだろ!!』
『『『『!!??』』』』
フロイド『誰だよ、テメェら..その顔で、その声で、気持ち悪ぃこと言ってんじゃねぇよ..あ、ああぁっ!』
幼い時から二人を誰よりも知っているからこそ、自分を誘う甘い言葉は絶対に言わないという二人への強い"信頼"がフロイドを更なる覚醒へと導いていく
フロイド『ぐぁっ..ギィッ!
あああああああああ!!!!』
それがトリガーとなり、一気に記憶の波が押し寄せる。オンボロ寮を奪い取ったこと、サバナクローとユウたちのせいで失敗したこと、そしてそれによってアズールがオーバーブロットしたこと
スカラビアの事件を解決したあとの、砂漠のオアシスで3人で笑い合ったこと
今までの想い出が彼を完全に覚醒させ、夢の殻が音を立てて割れ落ちた
フロイド『あ"〜〜〜〜〜...くっそ、頭いってぇ..』
シルバー『フロイド、まさか..目が醒めたのか!?』
セベク『闇の甘言を自ら拒絶するとは!』
フロイド『本物のジェイドだったら、オレの失敗団とか全部聞き出そうとするし..いくらアズールが息するみたいに嘘つくやつでも、陸がつまんねーとか、3人でずっと一緒にとか..絶っっ対に言わねぇわ!!
乗り気じゃないなら、ついて来られないなら..構わず置いていく。それがオレらのルールなんだよ。それなのにさぁ..お前らマジでキメェし、ムカつく。難破船の隣に沈めてやるよ!!』