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【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第97章 *接触アパシー(フロイドの夢)*




そこからフロイドは、一人で世界一周の旅に出たことを話した。自由気ままに世界を渡り歩いたが、そこでの出来事が全て自分の良いように、または話が良すぎる展開になり、それすらもつまらなく感じて、結局一人故郷である珊瑚の海へと戻ってきたのだという



フロイド『別に海にも面白いことはないんだけどさぁ..さっきは海面の方が騒がしいから、久々になんか面白いことがあるかもって見に行ったんだけど..ボートをひっくり返してみたら、結局知ってるやつらだし..』


セベク『貴様、興味本位で僕たちのボートを転覆させたということか!?なんと迷惑な!』


フロイド『あ〜〜〜〜....なんか面白いことねーかな..』


セベク『おい、無視するな!!』


フロイド『はぁ..うっざ。もうお前らと話すの飽きたし、どっか行ってくんね?』


セベク『は、はぁ!?あ、飽きた..っ!?』



重いため息一つ吐くと、フロイドは背を向けてその場を去ろうとする。その時、黒い小さな人影が前へと躍り出る


『待って、フロさん』


フロイド『はぁ、だからさぁ..お前らに話すの飽きたって...




ゴマ、ちゃん?』





気怠げに振り向く瞳にその姿が写り込んだ瞬間、フロイドは目を見開き体が一瞬固まった


シルバー『!!フロイドの様子が変わった..?』


セベク『どういうことだ?まさか、レイラはフロイド先輩の覚醒の要素だったのか!?』





『フロさん』


フロイド『ゴマちゃん..なんでここにいんの?』


『フロさんに会いに来たの。あのね、』


フロイド『ゴマちゃん』


遮るように名前を呼ばれ、レイラは口を噤む。彼の纒う気怠げなオーラにほんの僅かな怒りが混じり、冷や汗が伝い海に溶ける


フロイド『こっち、おいでよ』


『....』


ユウ『レイラ』


『大丈夫』


心配そうなユウの手を軽く握りすぐに離れると、両腕を広げるフロイドの元へと泳いでいく


エアドーム越しにヒレの生えた腕にすっぽりと収まると、そのままフロイドは何を言うこともなくレイラを抱えたまま泳ぎだし、近くの海藻生い茂る岩山の側で横になりながら無気力に漂い始めた



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