第96章 *盛況アライブ(ジャミルの夢)*
熱砂の国・ジャハーサヒールカレッジ
太陽照りつける砂漠の道をひたすら歩いていくと、やがてパレードはある建物の前で止まった。暑さに強いカリム以外は全員ヘトヘトになっていた
ヴィル『パレードが止まった。ここが目的地みたいね』
セベク『ふぅ..かなりの距離を練り歩いたな。街を端から端まで横断したんじゃないか?』
シルバー『ここは..カリムの夢で見た学校に似ているが、少し雰囲気が違うようだ』
建物を見渡してみると、御殿の時と同様に外観はそのままで色や装飾が赤と黒に変わり、中央に建つ像もオアシスの名君ではなく、学園にあるものとはボーズの違う砂漠の魔術師になっていた
?『ーーカリム!カリムはいないのか!』
カリム『おう!いるぜ、ここだ!』
名を呼ばれ元気よく答えると、後ろに何人もの従者を連れたジャミルが呆れた様子で近づいくる
ジャミル『ここだ!じゃない!主人の世話もせず、なに油を売って...おい。なんだ、その服は?また色変え魔法の失敗でもしたのか?』
カリム『ん?別に失敗はしてないぜ。オアシスの名君みたいでかっこいいだろ?』
ジャミル『ジャハーサヒールカレッジの制服は、偉大なる砂漠の魔術師が纏っていたという伝統的な赤と黒。勝手に白く脱色するとは何事だ!まったく!!』
カリムの服に怪訝そうに顔をしかめると、魔法で服の色を自分と同じものに染め直した
カリム『おぉ、色が変わった。この色も悪くないな。サンキュー、ジャミル!』
ジャミル『ジャミル様、ありがとうございます、だろ!?まったく..お前はいつまでもボンボン気分が抜けなくて困る。いいか?アジーム家はバイパー家に一生かかっても返しきれないほどの借金があるんだ。少しでも俺の役に立つよう、キリキリ働け』
ユウ『...だと思った。ヴィル先輩の夢と同じタイプじゃん。ストレス源だけど自分の人生に影響与えすぎて消せなくなっちゃったやつ』
『ジャミさん..カリムさんのこと好きじゃないって言ってたけど、やっぱり忘れられないんだよね.....むぅ』