第96章 *盛況アライブ(ジャミルの夢)*
『....ね、なんか音が聞こえる。あっちの方から』
門のある方角を指差し、小さな耳をピンと立てると、一応警戒のためユウは背中にレイラを隠す
その音は次第に大きくなり、レイラだけでなくオルトやユウたちの耳にも届き始めた
オルト『見て!門が開いて、中から象がパレードを引き連れて出てきたよ』
ヴィル『ちょっと待って。あの象に乗っているのって..』
巨体を揺らしゆっくりと進んでいく象の上で、ふんぞり返るように座る人物。周りに夢の主の証拠である小鳥を羽ばたかせ、カリムと同じような色違いの服をまとい、長い黒髪をなびかせる
『『『ジャミル〜〜!?』』』
ユウ『んーーー予想通りすぎる!!』
『ジャミさん、やっぱりここにいた』
警備員『さあ、そこのけ!邪魔だ!ジャミル様のお通りだ!』
象を先導していたもう一人の警備員がこちらに詰め寄り、払い除けるように手で煽る。あまりの勢いにサッと道を開けると、隣りにいた警備員がカリムを見て何をしてるんだと言わんばかりその肩を掴んだ
警備員『カリム!なんでお前まで避けてるんだ。さっさとこの傘を持って隊列に加われ!ボーッとしてんじゃねぇ、このとんまめ!』
カリム『うおっ!?わ、分かったぜ』
まだ状況も良くわからないまま、押しつけるように持たされた傘をさすと慌てて列の方へと走って行ってしまった
グリム『カリムがパレードについて行っちまった!』
オルト『よし、僕たちもあのパレードを追おう!』
先に加わったカリムの後ろにつくと、 鳴り響く音楽に合わせて砂漠の道を進んでいく
ジャミル『さあ、行進だ!隊列を乱すなよ、お前たち!』
カリム『ジャミルのやつ楽しそうだな!』
ジャミル『そこ、うるさいぞ!口じゃなく足を動かせ!』
グリム『ジャミルのやつ、まるで王様みてーに偉そうなんだゾ』
シルバー『とにかく、遅れないように着いていこう』
ユウ『まさか夢にまで来て、またこんな行進させられるとは思わなかったね』
『ん。久しぶり』