第96章 *盛況アライブ(ジャミルの夢)*
『美味しそう。飲みたい』
カリム『おう!ちゃんと3人分あるから遠慮なく飲んでくれ』
ヴィル『後でいただくわ。それよりこっち来なさい』
カリム『お、おお?っとと!ヴィル、あんまり引っ張るなよぉ〜』
ズルズルと引きずられるように連れて行かれたカリムを見送り、レイラはココナッツジュースに口をつけた
『ん、美味しい』
ユウ『あーー可愛いねぇほんとにもう..じゃなくて、良かったね』
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熱砂の国・カリムの家跡地
先程の騒動のことが気になり、とりあえず自分の家に行ってみたいというカリムの提案で、一同は彼の案内でアジーム御殿がある街の外れへと向かった
だがそこにあったのは、きらびやかな御殿の面影は一切なく、空風が吹く広大な砂漠だけが広がっていた
カリム『う..嘘だろ..
オレんちがなくなってる〜〜〜〜〜!!??
母屋も、離れも、ジャミルんちも全部ない!みんなどこに行っちまったんだ!?』
グリム『家どころか、草1本生えてねぇんだゾ』
地元民『君たち、観光客かい?』
カリムの叫びに気づいた通りすがりの男が、興味深そうにこちらへと近づいてきた
オルト『はい。アジーム御殿を見に来たんですけど..』
地元民『ああ、アジーム御殿なら..数年前に持ち主が変わって、街の外れの高台に移設されたよ』
カリム『移設ぅ!?』
ヴィル『御殿にお住まいだったご家族の行方をご存知?』
地元民『さぁねぇ。噂じゃ、商売に失敗して御殿を手放すことになったと聞いたが..詳しいことは知らないなぁ。御殿を買い取った人なら何か知ってるかもしれんね』
シルバー『情報提供、感謝する。とにかく、移転が移設されたという場所へ行ってみよう』
セベク『ああ』
ヴィル『..なんとなく、嫌な予感がするわね』
オルト『僕もだよ、ヴィルさん』
ユウ『右に同じくです』
『ん、私も』