第96章 *盛況アライブ(ジャミルの夢)*
『おはよ』
ヴィル『おはよう。って、あんたずっとあたしに膝枕したままだったの?足、痛くなってたでしょ』
『ううん。痛くなかったし、ヴィルさんの頭なでなで出来て嬉しかった』
ヴィル『はぁ..あんたって子は..でも、ありがとう。おかげでだいぶ楽になったわ』
『んへへ..』
細くしなやかな手に優しく撫でられ、レイラは耳をピコピコさせ、尻尾もご機嫌に震わせた
ヴィル『それで、なんだかバタバタしていたようだったけど、何かあったの?シルバーが慌てて走って行ったのをボンヤリと見たわ』
『あのね..』
ヴィル『はぁ..まったくカリムってば、ここはあんたの夢じゃないんだから、現実での当たり前が通じないって分からないのかしら』
ため息1つ吐きヴィルは端正な顔を歪める。せっかく良くなりかけていた体調が、再び悪くなりそうになるのではと思いながら、寝ていた際に少し歪んでしまった髪型を魔法で直していく
『みんな..』
オルト『大丈夫だよ、レイラさん。いま兄さんから、事態は落ち着いたってメッセージがきたんだ。みんなを連れてこっちに戻ってくるって』
『そっか、良かった』
ヴィル『帰ってきたら、まずは説教かしらね』
シルバー『オルト、ヴィル先輩、レイラ』
オルト『シルバーさん。良かった、間に合ったみたいだね』
シルバー『ああ。なんとか大きな騒ぎにはならずに済んだ。みんなもこの通り、無事でいる』
カリム『ほんと助かったぜ。あそこの屋台のおっちゃんとは顔見知りだから、いつもなら何もしなくてもくれたんだけどなぁ..』
ヴィル『カリム。そのことで話がちょっとこっち来なさい』
カリム『おー、ヴィル!シルバーから、だいぶ良くなったって聞いたぜ。もう大丈夫なのか?あっ、そうだ。お前たちにも買ってきたぜ!』
『なに、これ?』
ユウ『ココナッツジュースだって。さっぱりとして美味しいよ』