第96章 *盛況アライブ(ジャミルの夢)*
オルト『レイラさんは凄い人だね。彼との付き合いは君より長い方だけど、ここまでリラックスしているのは見たことがないよ』
シルバー『俺もだ。普段の先輩なら、いくら弱っていても気丈に振る舞い、他人に寄りかかる姿など見せないだろう。だが、お前のその優しく仲間思いな性格の前では、取り繕いや気丈も関係ないようだ』
『..好きな人だから、大切な人だから元気になってほしくて。それだけだよ』
シルバー『その気持ちが何より大事だと俺は思う。ただ相手のために行動できるお前は、やはり凄いな』
オルト『見返りを求めない献身的な感情..ヒトは、君はやっぱり複雑で理解し難くて面白いね』
口々に褒められむず痒い感覚が走る。決して不快ではなくむしろ心地良いその感覚に、頬を赤く染め小さく笑う
『あり、がと..//』
シルバー『(少し赤くなっている。照れているのか..)』
オルト『(ふふ、心拍数と体温が上昇してる。褒められて嬉しくなっちゃったのかな?)』
『『(可愛いな/可愛いね)』』
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暫く静かな時間が流れ、軽く眠ったことでヴィルの調子も徐々に戻りつつあった
少しだけのつもりがヴィルから続けるよう言われ、かれこれ20分ほど撫で続け、すっかりレイラは手入れの行き届いた白金の感触の虜になっていた
『〜♪』
シルバー『ご機嫌だな。先輩の髪をこんなに長いこと触れるのは、ナイトレイブンカレッジの中でお前だけだろうな』
『んふふ。ヴィルさんの髪、綺麗でサラサラで気持ちいい』
シルバー『..羨ましいな......あっ』
無意識に溢れた言葉に気づき咄嗟に口を片手で塞ぐ。しかし既に聞かれてしまった後で、羞恥心からシルバーは気まずそうに俯いた
シルバー『す、すまない..その..今のは聞かなかったことにしてくれないか』
『なんで?全然変なことじゃないのに。頭、なでなでしてほしいんでしょ?じゃあ..ん』
伸ばされた手がこちらへ来るようにと手招く。その誘いに一瞬躊躇いを見せるが、好意を無碍にするわけにもいかず、何よりユウやセベクたちの横入りもない今、絶好の機会だと体を寄せていく