第96章 *盛況アライブ(ジャミルの夢)*
『あの、お洋服汚れちゃうから..これ』
本人は良くとも流石にヴィルの服が汚れるのが許せなかったのか、慌ててペンを振ると四人は座れそうな大きな敷物を召喚した
ヴィル『レイラ..ありがとう』
『ん..』
ヴィル『そんな顔しないで。少し休めば楽になる。
ねぇ、悪いけどあんたの膝、貸してくれない?』
『ん、もちろん』
ヴィル『失礼するわね』
敷物の上に座り直すと、そのままでも構わないのに、わざわざ懐から出したハンカチを膝に敷くと、ゆっくりと頭を乗せて少しずつ体重をかけていく
ヴィル『重かったり痛かったりしたらすぐに言うのよ』
『全然大丈夫。ね、ちょっとだけ頭撫でていい?』
ヴィル『..良いわよ』
断られるつもりで聞いたにも関わらず、返ってきたのはあまりにも優しい声色だった。少し意外だと目をパチパチさせ、それでも甘えてきてくれたようで嬉しくなり、輝く白金の髪に撫で始める
一方オルトとシルバーは、ヴィルが自分の髪を撫でるのを許したことが、横になると言ったのも合わせて気になって仕方なかった
彼がそれだけ参ってしまっているのか、それともレイラを前にしているからなのか
暫し二人を見つめながら考えるが、優しく撫でられ心地よさそうに目を閉じるヴィルの表情に目尻を下げ、恐らく後者だろうと目の前で穏やかな雰囲気を見守った
『(甘えてくれて凄く嬉しいけど、それだけ疲れてるんだよね。早く元気になりますように)』
ヴィル『(まったく。ポムフィオーレの寮長がこんな醜態を晒すなんて、ルークやエペルたちには見せられないわね。でも..凄く心地が良い。
ダメね。触れれば触れるほど..この子に堕とされていく気がする)』