第94章 *夢幻ナビゲート(ヴィルの夢)*
シルバー『良い心がけだ。俺たちも見習おう。セベクも同じ1年生のエペルに負けないように、鍛錬を怠るなよ』
セベク『ふん!当然だ。見ていろ、エペル!装備の変更もユニーク魔法も、貴様よりも素早く正確に成功できるようになってせるぞ』
エペル『ふぅん?頑張ってね。ま、僕も負けないけど!』
ユウ『いいライバルができて良かったじゃん』
『.....』
二人のやり取りを微笑ましく見ていたレイラだったが、ふとその表情を翳らせルークの方を静かに見つめる
この夢に置くためのヴィルのダミーデータを見て、我ながらセンスの良さに嬉しそうにするヴィルの隣で、共に盛り上がるルークの笑顔に胸が痛みだしたのだ
ルークの夢での一件で彼への態度に随分前から罪悪感が募らせていたが、早く謝らなければと思いながらも、中々タイミングが掴めないまま、もう別れなければいけないことに焦りも感じていた
ヴィル『それじゃあ、出発しましょう』
シルバー『では、ヴィル先輩。俺の腕に掴まってくれ』
差し出された左腕に、まるで舞踏会でエスコートされる淑女のようにそっと手を通す
ヴィル『夢の移動はシルバーのユニーク魔法で、よね?スマートなエスコートをお願いするわ』
シルバー『..善処する』
ヴィルの求める移動とは全く違うスリリングな夢の渡りが待っていることに、シルバーは敢えて言葉にはしなかったが内心どうしたらいいものかと困り果てた
『...ぁ、ぅ..』
ユウ『..先輩とお話するなら今だよ』
『ん..』
切ない視線がルークに注がれていることに気づくと、そっと小さな背中を押した。それを受けたレイラはコクンと頷き、意を決してルークの元へと小走りで駆けていった
『..ルク、さん』
ルーク『!なにかな、兎の君?』
『私..あの、えっと..ぁ..』
ルーク『うん』
決して急かすことはせず、目線に合わせて屈んでくれる彼の優しさに胸を打たれつつ、ゆっくりと口を開いた
『あの、私..あのとき、』
イデア『スンマセン..次が押してるので早くシルバー氏にくっついてくれますか?』