• テキストサイズ

【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第90章 *難航トランスポート*











シルバー『はぁ、はぁ..竜尾岳と魔の山の渓谷にかかる大橋に辿り着いた』


ユウ『やっと山の足元、ですか..』


いよいよ体力が切れそうになるというところで山の麓にたどり着くと、シルバーの背中にピクッとリリアの体が動き、その意識がゆっくりと覚めていく


リリア『う..っ、ここ、は?』


『!リィさん!』


シルバー『ヴァンルージュ殿、気がつきましたか。魔の山に続く大橋の手前です』


リリア『お前、本当に竜尾岳の麓から俺を背負ったまま、ここまで登ってきたのか?』


シルバー『はい。問題ありませんでした』


リリア『はっ!卵は!?』


『ん、私がちゃんと持ってるよ。どこも傷ついてない』


腕に抱えた卵を持ち上げてみせると、ホッとしたように息を吐いたリリアは、もう歩けると言ってシルバーの背から降りる




シルバー『本当に大丈夫ですか?俺は竜の都までこのままでも平気です』


リリア『は、随分生意気言うようになったじゃねぇか。お前らには感じ取れないかもしれないが、あたりに立ち込める霧には魔力が豊富に含まれてる。ここまでくりゃ、傷もすぐに塞がるだろうよ』


そう言ってグッと体を動かすその身振りが軽くなっていることが、本当に霧に含まれる魔力が効いているのだと分かる


リリア『レイラも、重たい荷物を運ばせちまったな。ほら、よこせ』


『..もうちょっと持っててもいいよ』


ユウ『愛着湧いちゃった?』


『ん』


リリア『馬鹿言うな。ほら..』


差し出された手に名残惜しそうに卵を渡すと、ヒビが入ってないことを確かめ、リリアはもう一度安堵の息を吐いた




リリア『そういえば、セベクの姿が見えねぇな。あいつはどうした?』


シルバー『バウル殿と共に敵を食い止めるために残り..まだ再会できていません』


リリア『そうか..バウルと..』



/ 1858ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp